こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
今回は、抗アレルギー薬デザレックスについて、ビラノアとの比較や市販薬や後発薬(ジェネリック医薬品)はあるのかについて、詳しくお話していきます。
花粉症の処方薬はいろいろありますが、
アレグラやアレロックと並んで、デザレックスやビラノアという薬もよく使われるようになりました。
この記事がお役にたつとうれしいです!
デザレックスとビラノアの違い比較
デザレックスは、ビラノアやアレグラと同じ抗アレルギー薬です。
(成分にステロイド入ってることはありません)
アレルギーの原因となるヒスタミンをブロックして、症状を和らげます。
デザレックス(成分名:デスロラタジン)は、クラリチン(成分名:ロラタジン)の代謝活性物質です。
ロラタジンは肝臓で代謝されてデスロラタジンになって効果を発現します。
デザレックスははじめから代謝された状態なので、その分、効果がでるまで時間がかからないと考えられています。
デザレックスもビラノアもくしゃみ、鼻水、目の痒みがでる花粉症といったアレルギー性鼻炎やじんましん、肌のかゆみなどに使われています。
デザレックスとビラノアの類似点や違いについてまとめました。
デザレックスは眠気の副作用がほぼない
デザレックスの特徴は、まず、眠気の副作用がほとんどないことです。
添付文書でも、車の運転の制限などがありません。
ビラノアも眠くなりにくいので、同じメリットですね。
デザレックスは1日1回1錠の服用でよい
デザレックスは1日1回1錠の服用で1日中効果が続きます。
ビラノアも同じく、1日1回1錠の服用でよいので同じです。
1日1回飲むだけというのは助かりますね^^
デザレックスは食前服用でなく食後でも服用できる
デザレックスは食事の影響を受けないので、飲むタイミングを気にせずに1日1回服用すればよいです。
食前でも食後でも服用可能です。
食前服用のビラノアとの大きな違いですね。
ビラノアが食前服用となっている理由は、眠気が少ないビラノアとアレグラの比較と飲み合わせ、市販薬はある?にて詳しく解説しています。
デザレックスは12歳以上の子どもなら服用可能
デザレックスは、12歳以上の子どもなら服用することができます。
通常、12歳以上の小児及び成人にはデスロラタジンとして1回5mgを1日1回経口投与する。
デザレックス添付文書より
ビラノアは成人(15歳以上)のみ服用可能です。
12歳、13歳、14歳の子どもが飲むことができるというのは、デザレックスのメリットと言えると思います。
デザレックスとビラノアの効果の違いは?
薬の効果を感じるまでにかかる時間は、Tmax(最高血中濃度到達時間:薬を服用後、血中濃度が最も高くなるまでにかかる時間)が指標となります。
デザレックスとビラノアのTmaxを比較してみました。
薬の名前 | Tmax |
デザレックス | 2時間 |
ビラノア | 1.0~1.4時間 |
つまり、ビラノアの方が30分~1時間ほど薬の効果を感じる時間が早い=即効性が期待できるということになります。
次に、薬の持続性の指標となるT1/2(半減期:薬の血中濃度が半分になる時間)を比べてみました。
薬の名前 | Tmax |
デザレックス | 22.7時間 |
ビラノア | 10.5時間 |
デザレックスの方が半減期が長い=より体内に残っている時間が長いので、持続性があるということになります。
即効性を求めるならビラノア、長く効いてほしいならデザレックスという選び方もできると思います。
ただ、ある程度の日数、毎日飲む場合は血中濃度は少しずつ上がって定常状態になるのでまた違ってきます。
デザレックスとビラノアの薬価(薬の値段)の比較
花粉症や鼻炎、じんましん、
ある程度の期間、薬を飲む時に気になるのが、薬の値段ですよね。
というわけで、
デザレックスとビラノアの薬の価格を比べてみました。
薬の名前 | 薬の値段(1錠) |
ビラノア(ビラノアOD錠も同じ) | 66.8円 |
デザレックス | 57.2円 |
値段はわずかにデザレックスが安いです。
デザレックスとビラノアはどちらが使われている?
デザレックスとビラノアは同じ年に発売されました。
食事の影響がなく飲むタイミングを選ばないデザレックスの方が使い勝手がいいですよね。
デザレックスの処方が増えるのでは…と思っていたのですが、販売から数年たった2019年にデザレックスの自主回収がありました。
自主回収、つまり販売中止です。
デザレックスの販売中止の理由は、何か健康被害が出たわけではなく、製造販売元であるMSD株式会社の原薬保管施設に関わる薬事手続きに不備が確認されたことが原因です。
その後、販売再開されていますが、
ビラノアで安定している人はそのままビラノアの服用を続ける場合が圧倒的に多いです。
私の勤務先の薬局では、ビラノアの方がよく使われています。
花粉症薬デザレックスには市販薬や後発薬(ジェネリック)もある?
デザレックスには市販薬も後発薬もない
デザレックスは、ビラノアと同じ2016年に発売されました。
病院で14日間をこえて処方できるようになっていますが、デザレックスの後発薬(ジェネリック医薬品)は、2022年現在はまだありません。
また、デザレックスと同じ成分の市販薬は、2022年現在、販売されていません。
なので、
デザレックスは病院を受診して処方してもらうしかありません。
デザレックスの代わりに使える市販薬は?
デザレックスはクラリチンの改良したような薬です。
クラリチンは市販されています。
デザレックスよりも効果を感じるのが遅くなる可能性がありますが、病院が休みで処方してもらえない、忙しくて受診する時間がない場合に市販薬で対処する時はクラリチンが選択肢になると思います。
クラリチンについては、市販薬でも買えるクラリチンとアレグラの違い比較と飲み合わせにて詳しく解説しています。
クラリチンとデザレックスの併用は成分が重複するのでしないようにしましょう。
デザレックスとカロナールやロキソニンなどの鎮痛剤との飲み合わせは?
「花粉症で頭痛もするからカロナールやロキソニンを飲みたい」
デザレックスとカロナールやロキソニンとの飲み合わせは問題ありません。
併用できるので安心してください。
デザレックスは、病院で処方される抗生物質や抗真菌薬の一部に飲み合わせに注意すべき薬がありますが、
一般的な鎮痛剤や風邪薬などとの飲み合わせの心配はほとんどありません。
花粉症の目のかゆみによく使われるパタノール点眼液については、花粉症の目薬パタノール点眼液と同じ成分の市販薬やジェネリックは?に詳しく解説しています。
さいごに:花粉症にも効果があるデザレックスとビラノアの比較、市販薬ある?
というわけで、
抗アレルギー薬デザレックスについてビラノアと比較しながらお話ししてきました。
デザレックスもビラノアも眠気が少ない1日1回のむタイプの抗アレルギー薬です。
くしゃみや鼻水といったアレルギー性鼻炎だけでなく、じんましんにも効果的です。
・食事の影響をうけないので、食前ではなく食後の服用も可能
(薬を飲むタイミングを選ばない)
・12歳以上の子どもも服用できる
・薬の値段が少し安い
ビラノアと比べてデザレックスにはこんなメリットがあります。
ただし、デザレックスもビラノアと同じく市販薬も後発薬(ジェネリック医薬品)もありません。
(2021年現在)
飲むタイミングを考えたくない方、
少しでも薬代を安くしたい方、
12から14歳のお子さんには、デザレックスという選択肢もありだと思います!
■こちらの記事に、いろいろな花粉症対策をまとめているので、お役立てください!
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