授乳中のお母さんは、赤ちゃんに影響がないか…薬の使用に慎重になりますよね。
この記事では、授乳中のお母さんが安心して使えるものもらいの市販の目薬について、詳しく解説します。
授乳中に使えない(禁忌)目薬についてもお話ししますね!
ものもらいと結膜炎の違い:症状と治療法を理解する
ものもらいと結膜炎の違い 1:症状と原因
ものもらいと結膜炎は、目ヤニや充血などよく似た症状もありますが、原因が違い、治療法も異なります。
ものもらい(麦粒腫または霰粒腫)は、細菌感染によるまぶたの腫れや赤みが特徴です。
まつ毛の毛根やまぶたの腺が細菌に感染して腫れて痛みます。
霰粒腫は、マイボーム腺が詰まって炎症を生じ、痛みは少ないとされています。
結膜炎は、目の白い部分の結膜に炎症が生じる病気です。
赤みやかゆみ、異物感、目ヤニや涙の増加などの症状がみられます。
結膜炎の原因としては、ウイルスや細菌、アレルギーなどいろいろあります。
ちなみに、アデノウイルスによる結膜炎のうち、「流行性角結膜炎」=「はやり目」です。
かゆみは少なく、充血や目やに、涙が出るなどの症状がメインとされています。
ウィルス性結膜炎は、人にうつす可能性があるので注意が必要です!
ものもらいと結膜炎の違い 2:治療法
ものもらいの治療には、原因となる細菌に対応した抗生物質を含む目薬(抗菌目薬)が使われます。
結膜炎の治療には、原因に応じた目薬や薬がケースバイケースで使われます。
ウィルス性結膜炎には、細菌の混合感染を予防するための抗菌目薬や炎症(充血)の改善のためのステロイド点眼薬、
細菌性結膜炎には、抗菌点眼薬や眼軟膏もしくは抗生物質の内服、
アレルギー性結膜炎には、抗アレルギー薬の目薬
という感じです。
ものもらいに効く!授乳中に使える市販の目薬の選び方
授乳中でも安心して使うために市販の目薬の選び方の大事なポイント
医師の指導のもとで使う医療用医薬品(処方薬)とは違い、
市販薬の場合は、自己責任で使うため、より安全性を重視します。
市販薬は自分の判断と責任で購入して使う薬です。
なので、副作用のリスクを抑えるために、安全性が優先されています。
決められた使い方を守らなかった場合、
万が一、副作用が出た時に救済措置「医薬品副作用被害救済制度」の対象にならないという問題もあります!
必ず、添付文書に「授乳中に使用しないでください」と書いていない市販の目薬を使いましょう。
具体的に市販薬の名前をあげて解説していきますね!
以下に紹介する抗菌目薬は、すべて授乳中も安心して使用することができます。
ロートクリニカル抗菌目薬i、ロート抗菌目薬i、ロート抗菌目薬EX
ロート製薬から販売されている抗菌目薬。
3種類ありますが、抗菌成分は同じ(スルファメトキサゾール)です。
目の患部に長くとどまる処方となっています。
効能効果や使い方も全て同じです。
■効能効果
ものもらい、結膜炎(はやり目)、目のかゆみ、眼瞼炎(まぶたのただれ)
■使い方(用法用量)
1回2~3滴を1日5~6回点眼。
ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用しない。
3種類の中で私がおすすめするのは、ロートクリニカル抗菌目薬i。
抗菌成分だけでなく、かゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩や炎症を抑える成分も配合されているので、かゆみや痛みに効果的です。
さらに、防腐剤無添加の一回使い切りタイプです。
サンテ抗菌新目薬、サンテメディカル抗菌
参天製薬から販売されている抗菌目薬です。
抗菌成分は、同じくスルファメトキサゾール。
目の患部に長くとどまる処方となっています。
サンテ抗菌新目薬には、かゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されていますが、サンテメディカル抗菌には入っていません。
サンテ抗菌新目薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩は、ロートクリニカル抗菌目薬iよりも少ないです。
特徴的なのが、サンテメディカル抗菌。
サンテメディカル抗菌は、防腐剤無添加で1回使い切りタイプです。
さらに、子ども(1歳以上)にも使えると具体的な年齢とともに明記されています。
使い方は、1回1滴を1日3~5回点眼です。
お子さんのものもらいにも使いたい時は、サンテメディカル抗菌目薬がおすすめです。
抗菌アイリス使いきり
大正製薬の抗菌目薬です。
抗菌成分は、同じくスルファメトキサゾール。
目の患部に長くとどまる処方設計も同じです。
かゆみを抑える成分は入っていません。
なので、かゆみはないけど、腫れや痛みがあるという時におすすめです。
使い方は、1回2、3滴を1日3~6回点眼となっています。
個人的には、使い切りタイプの目薬の方が衛生的でよいと考えます。
ものもらいやはやり目の治療に市販の目薬を使うときの注意点
市販の抗菌目薬で、ものもらいやはやり目をケアする場合は、長期連用しないことが大切です。
目安としては、3~4日間点眼しても症状が改善しない場合は、使用をやめて眼科を受診しましょう。
授乳中の目薬使用でよくある質問と回答(Q&A)
授乳中の目薬の使用に関する疑問を解消して安心して使いましょう!
Q1: 授乳中に目薬を使用しても赤ちゃんに影響はありませんか?
A1:
目薬の場合、添付文書などでお母さん自身の血液中に吸収される量は非常に少ないと判明しており、母乳への移行する薬の量はさらに少なく、ごくわずかとされています。
なので、点眼薬を授乳中に使用しても、赤ちゃんに影響する可能性は低いとされています。
ただ、市販薬の場合は自己責任で使うため、授乳中の使用に問題ない成分が配合された目薬かを確認することが大切です。
この記事で紹介した抗菌目薬は、添付文書でも「授乳中は禁忌(使用してはいけない)」という記載がないので安心してください。
授乳中の薬に不安を感じるお母さんは、授乳中の薬は何時間あけるべき?赤ちゃんへの影響を防ぐための注意点の記事も参考にしてください!
Q2: 授乳中の使用に注意すべき目薬の成分にはどのようなものがありますか?
A2:
花粉症などの市販の目薬に配合されている抗炎症成分(プロプラノフェン)は、授乳中は禁忌です。
詳しくは、授乳中に使える花粉症の市販の目薬は?禁忌についても詳細解説の記事でお話ししています。
医療用の目薬(処方薬)では、ミケランやミケルナ、ルミガンといった緑内障の目薬の多くが授乳中に禁忌となっています。
また、パタノール(オロパタジン)やリボスチン(レボカバスチン)といった抗アレルギーの目薬も授乳中は禁忌なので注意してくださいね!
ものもらいの予防におすすめ!アイシャンプー
「アイシャンプー」というものがあるのを知っていますか?
アイシャンプーで目もとを洗うことで、ものもらいの原因となる脂肪の詰まりや汚れをきれいにして目もとを清潔にします。
目もとを清潔な状態にすることで、ものもらいを予防できるというわけですね。
とくに女性はアイメイクで目もとが不衛生になっていることが多いので、毎日のケアが大切です。
涙の組成に着目してつくられた、目に負担をかけない設計となっています。
もちろん、授乳中の使用も問題ないですよ!
アイシャンプー ロング
さいごに:授乳中に使える花粉症の市販の目薬は?禁忌についても詳細解説
この記事では、授乳中のお母さんが安心して使用できる市販の抗菌目薬について詳しく解説しました。
急にものもらいができても、すぐには眼科に行けない…そんな時に役立つのが市販の抗菌目薬です。
また、睡眠不足や疲れがたまると抵抗力が落ちて、ものもらいもできやすくなるとされています。
授乳中、子育て中のお母さんはなかなかゆっくり休む時間をとるのは難しいかもしれませんが、こまめに休んで回復してくださいね!