こんにちは。
現役ママ薬剤師の安美です。
虫刺されなどで急にかゆくなった時、すぐに皮膚科に行くことができればいいですが、
休みだったり、忙しかったりで受診できない時、市販の塗り薬で対処できたら便利ですよね。
今回は、薬局やドラックストアでも買える市販のステロイド軟膏の中で最も強いランクのリンデロンVs軟膏について詳しくお話しします。
ステロイド軟膏の市販薬で最強はリンデロンV軟膏
市販のリンデロンVs軟膏のステロイド強さランクは?
以前、実家の庭でたくさん蚊に刺されて、足のあっちこっちが痒くなって大変だったことがありました。
たまたま、リンデロンV軟膏(母が病院で処方されたもの)があったので、それを塗って事なきを得ました。
赤みやかゆみが強いときは皮膚に炎症が起きている状態です。
ステロイド軟膏は、この炎症を抑えます。
炎症が強いときは、適切な強さの軟膏を使って、早めに炎症を抑えることが大事です。
ステロイド塗り薬の強さランク一覧にあるように、ステロイドの強さにはランクがありますが、
期待した効果を得るためには、ある程度の強さのステロイドが必要になります。
事情があって皮膚科を受診できずに市販薬で対処する時に、役立つのがリンデロンVs軟膏です。
リンデロンV軟膏は、市販のステロイド塗り薬の中で最も強いランクになります。
ステロイドの強さランクでいうと強い(Strong)になります。
よく使われるリンデロンVG軟膏と同じステロイドの強さランクです。
強さのランク | 商品名(医療用、処方薬) | 商品名(市販薬) | 推奨される使用部位 |
強い Strong |
リンデロンV軟膏 (ベトネベート軟膏) |
リンデロンVs軟膏 | 手足や体 (皮膚が薄い部分OK) |
リンデロンVG軟膏* (ベトネベートN軟膏) |
ベトネベートN軟膏AS | 手足や体 (皮膚が薄い部分OK) |
*リンデロンVG軟膏には、リンデロンVのステロイド成分に加えて、抗生物質のゲンタマイシンが配合されています。
ステロイド軟膏のみが配合されているのもリンデロンVs軟膏のメリットです!
市販薬のリンデロンVs軟膏はスイッチOTC医薬品(病院でもらう処方せんが必要な医療用の医薬品から、一般用になった(=スイッチした)医薬品)です。
同じステロイド成分が同量配合されています。
もちろん、セルフメディケーション税制の対象となります。
セルフメディケーション税制については、医療費控除のセルフメディケーション税制で確定申告できるかも!の記事を参考にしてくださいね!
市販のリンデロンVs軟膏、顔に塗ることや子どもへの使用は要注意!
リンデロンV軟膏のステロイドの強さランクは、強い(Strong)。
基本的には、顔のような吸収のよい部位には塗らない、手足や体に使うステロイドです。
(お医者さんの判断のもとに、短期間、顔に使用する場合もあります)
顔に使えるステロイド軟膏の市販薬については、こちらのブログ記事も参考にしてください。
ステロイド薬で顔に使用可能な強さの市販薬は?現役薬剤師が解説!
ステロイド薬は、塗る体の場所によって、吸収されやすさが違います。
皮膚が薄い顔や首は吸収されやすく、よく効きます。
なので、ロコイド軟膏(普通;Medium)などの強さランクの低いステロイドを使用したほうが安全です。
また、幼児や高齢者は<強い、Strong>以下の強さのステロイドを使うことが一般的です。
ステロイド軟膏の使い方のコツについては、【薬剤師解説】ステロイド軟膏の効果的な塗り方3つのポイントに詳しく書いています。参考にしてくださいね!
リンデロンVs軟膏とリンデロンVsクリームの違いは?
リンデロンVsには、軟膏だけでなくクリームもあります。
クリームは、軟膏よりもべたつきが少なく、伸びがよいので塗りやすいというメリットがあります。
ただし、ジュクジュクしている場合は、刺激となることもあるため注意が必要です。
使用感にこだわりがない、クリームと軟膏で迷った場合は、軟膏の方が、刺激が少なくて皮膚の保湿や保護作用が高く肌の弱い方にも使いやすいのでおススメです。
引用元:日本皮膚科学会、皮膚科Q&A
軟膏とクリームはどのように違うの?
軟膏とクリームの違いはクリームには水が含まれていて、油ときれいに混ざっていることです。軟膏には水が含まれていません。クリームが軟膏に比べて塗りやすく、べたつかないのも水が含まれているからです。クリームの水と油が混ざっていることを専門用語では『乳化』と呼んでいます。乳化とは字の通り『乳』にすることです。『乳』は哺乳動物にとって体に吸収されやすいものです。
クリームも軟膏に比べ吸収されやくなっています。そのため、クリームの方が早く効果が出ますが、軟膏に比べ汗で流れやすい欠点もあります。
夏などべたつきが強く感じられる場合など、使用感を考慮して軟膏からクリームに変える場合もあります。
市販のリンデロンVs軟膏を使う時の注意点
市販のリンデロンVs軟膏は1週間以上は続けて使用しないでください。
また、顔、特に目のまわりへ塗るのは避けてください。
症状が改善しない、悪化する場合は、皮膚科を受診するようにしましょう。
まとめ
というわけで、
市販薬のステロイド軟膏で最強ランクのリンデロンVs軟膏についてお話ししてきました。
リンデロンVs軟膏は、処方薬のリンデロンV軟膏と同じ成分を同じ量含むので、手や足、体のかゆみなどの炎症に早く効くことが期待できます。
ただし、リンデロンVs軟膏のステロイドの強さランクから考えると、顔の使用は一般的ではありません。注意してくださいね。