【薬剤師解説】ステロイド軟膏の効果的な塗り方3つのポイント




こんにちは! 現役ママ薬剤師の安美です。

ステロイド軟膏は、虫刺されから湿疹、じんましん、かぶれ、アトピー性皮膚炎などによく使われています。

皮膚科で処方されることも多く、市販薬にもあります。

 

ステロイドだけは使いたくない!

そういう声も聞きますが、個人的にはそんなに怖がる必要はないと思っています。

安全に効果的に使うためには、ステロイド軟膏を正しく使うことが大切です!

今回は、現役薬剤師の私が考えるステロイド軟膏の効果的な塗り方を3つのポイントに分けてお話します^^

 

 



ステロイド軟膏の効果と副作用

まずは、ステロイド軟膏の効果と副作用についてお話しますね。

ステロイドは、赤みやかゆみ、じゅくじゅくといった炎症をおさえる薬です。

 

よく例えられるのが、
現在、皮膚でおきている<ひどい火事のような炎症>を消すようなイメージ。

 

ステロイド軟膏は対処療法と言われるように、湿疹や痒みの原因から治すわけではありません。

でも、炎症を抑えることで、皮膚をよい状態にします。
掻きむしったり、とびひになって悪化するのを防ぎます。

 

虫刺されの時とか、ステロイド軟膏を1,2回塗るだけで、いつの間にかよくなってしまいますよね。

こういう一時的な炎症の場合は、皮膚のダメージも少ないです。
なので、ステロイド軟膏で炎症を抑えている間に治ってしまいます。

 

それがなかなか難しくなるのは、アトピー性皮膚炎や主婦湿疹といった慢性的(長い間続く)場合。

というのは、
虫刺されのように原因が一つでわかりやすくないんです。
いくつかの原因が複雑に絡みあって起こるので、治療もどうしても難しくなってしまいます。

アトピーや主婦湿疹など慢性的な肌トラブルの原因としては、アレルギー体質といった遺伝的なもの、アレルギー環境(食べ物、洗剤、肌着など)、ストレスなどがあげられます。

 

できれば、虫刺されの時と同じように、
ステロイド軟膏で炎症を抑えている間に、原因を解決して、自分の体の力で治るのが理想的です。

ただ、原因が複雑すぎて、短期間で治ることは難しいことも多いです。

「ずっとステロイド軟膏を使い続けてもいいのかな?」

「ステロイド軟膏を塗るのをやめたら、痒くなる、ひどくなる」

「ネット情報をみると、ステロイドの副作用がコワイ」

ステロイド軟膏を使うことで、不安になる方も多いです。

 

じゃあ、ステロイドの塗り薬ではどんな副作用が起きるのかというと、以下の4つが有名です。

【ステロイド軟膏の副作用】

・毛深くなる(うぶ毛が生える)
・塗ったところにニキビができやすくなる
・血管が少し目立ちやすくなる、赤くなる
・皮膚がうすくなる
・皮膚線条(妊娠線のような模様ができる)

もし、副作用がでても、ステロイド軟膏の使用が終われば、ほぼ治ります。
ただし、皮膚線条は治りにくいので、慎重に使う必要があります。

 

でも、必要以上に不安になることはありません。

正しい使い方をしていれば、ステロイド軟膏の副作用が起きることはありません。

ステロイドの効果的で安全な使い方には、3つのポイントがあります!
わかりやすくお話しますね^^

 

 

ステロイド軟膏の安全で効果的な使い方

 

ステロイドの塗り薬を使う場合は、この3つのポイントに気をつけてくださいね。

処方薬でも、市販薬でも注意点は同じです!

 

ポイント1:ステロイド軟膏には強さに違いがある


ステロイド軟膏には、強さに違いがあります。

<最も強い・とても強い・強い・普通・弱い>5段階の強さランクにわけることが多いです。

例えば、デルモベートやダイアコートは、<最も強い>ランク、
リンデロンVGは、<強い>ランク、
ロコイドやキンダベート、アルメタは<普通>ランクになります。

ステロイド軟膏の強さ一覧について詳しくは、ステロイド軟膏の市販薬の強さランク別の一覧、医療用と比較してみた!でお話しています。参考にしてくださいね。

なので、
虫刺されで使ったAというステロイド軟膏が、湿疹にも使えるとは限りません。

もし、その湿疹に対しては強すぎるステロイド軟膏だったら、副作用リスクが上がります。

逆に、弱すぎるステロイド軟膏だったら、効果がありません。

処方薬でも市販薬でも、ステロイド軟膏を使う場合には、どれくらいの強さのステロイドかを考えることが大事です。

 

 

ポイント2:ステロイド軟膏を塗る場所で選ぶ種類が違う


ステロイドの吸収のされやすさは、塗るからだの場所によって違います。

 

頭、顔といった首より上や陰部は、血流がよくて、ステロイドが吸収されやすい場所です。
だから、基本的には<穏やか>ランクのステロイド軟膏を使用します。

反対に、首より下の体は<強い>ランクのステロイド軟膏を使います。

 

副作用を心配して、弱いステロイド軟膏をだらだら使っても、効果的ではありません。
だらだら使った分だけ、トータルのステロイドの量は多くなってしまうこともあります。

症状や使う体の部位にあった強さランクのステロイド軟膏を選ぶことが大切です!


薬剤師 安美
小さな子どもは、もともと皮膚がうすくて、肌の表面の機能もまだ未熟です。
大人よりもステロイドが吸収されやすいので、大人よりもステロイドの強さのランクを1つ下げて慎重に使います。

リンデロンVG軟膏は顔の使用可能?市販薬を使う時には注意が必要!でお話しているように、吸収のよい顔につかう場合は注意が必要です。

顔に使用できるステロイド軟膏の市販薬については、ステロイド軟膏で顔に使用できる市販薬は?楽天で買える?現役薬剤師が解説!を参考にしてくださいね。

 

ポイント3:ステロイド軟膏の効果的な塗り方をマスターしよう


ステロイド軟膏の塗り方のポイントは、すりこまずにやさしくのせるように塗ることです。

勤務先の薬局でも、ついすり込んでしまう患者さんが意外と多いです。
でも、すり込むと、肌に刺激になってしまいます。

すり込むと、赤くなっていたり、盛り上がっているところに、薬がきちんと行きわたらない可能性もあります。

 

ステロイド軟膏を塗る期間も大事です。

虫刺されのように一時的な痒みの時は、治ったらすぐにやめてOKです。

 

気をつけないといけないのは、ステロイド軟膏を使い続けている場合です。

見た目の赤みが減ってきて、よくなったと思っても、すぐに使うのをやめないでください。

 

ステロイド軟膏は、ひどい火事のような炎症を消す役目。

それと同じで、赤みが減って火事が消されたと思っても、
まだ、残り火がくすぶっている状態であることがとーっても多いんです。

わかりやすくいうと、
かゆみがまだあったり、皮膚がかたい感じ(肌をつまむと固さがある)がある場合は、皮膚の中にまだ炎症がのこっている=火事が完全に消化されていない状態です。

 

「もう治った!」と自分の判断でやめないようにしましょう。

「ステロイド軟膏を使うのをやめたら、症状がひどくなった」
そう感じるのは、ちゃんと炎症が治りきっていないからのことが多いです。

薬剤師 安美
塗り薬には使用期限があります。塗り薬に使用期限切れはある?ステロイド軟膏の開封後の期限は?で詳しくお話しているので一度確認してください。古い薬を使うと肌に負担になります。

 

皮膚科に通院している場合は、もう一回受診するのがオススメです。

・ステロイド軟膏の塗る回数を減らす
1日2回塗る→1日1回塗る
毎日塗る→1日おきに塗る

・使うステロイド軟膏の強さをかえる
デルモベート軟膏(とても強い)→マイザー軟膏(強い)

こんな風に、お医者さんにしっかり肌の状態をみてもらって、だんだんとステロイド軟膏を減らしていく治療が一般的です。

特に、長期間ステロイド軟膏を使っている人は、やめ方がとっても大事です。

ステロイド塗り薬の副作用とやめ方のコツについては、ステロイド軟膏をやめると再発!を防ぐために、やめ方のコツを知ろうで詳しくお話しています。参考にしてくださいね!

 

薬剤師 安美
反対に、1週間たっても効果がない場合は、もう一度病院に行くことをおすすめします。

 

 

さいごに:ステロイド軟膏の効果的な塗り方3つのポイント

というわけで、現役薬剤師の私が考える、ステロイドの効果的な塗り方をお話してきました。

 

1.ステロイド軟膏には強さランクがある

2.湿疹や痒みの部位によって、ステロイド軟膏の選び方が変わる

3.塗るときはすり込まずに薄く塗る

この3つのポイントを意識して、正しく使うことが大切です。

正しく使えば、ステロイドを必要以上に怖がる必要はありません!

<かゆみ>を我慢するのはとっても大変。
子どもの場合はなおさらです。

ステロイド軟膏を使うか、使わないかは、それぞれに、考え方や判断があると思います。

がんばり屋さんのお母さんほど、いつの間にか、<ステロイドを使わないこと>が目的になりがち。

必要な時に正しく使って、上手に手放していきましょう!