こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
インフルエンザの流行時期に急に熱が出ると、慌てますよね。
自分がかかってもキツイですが、子どもが熱で苦しんでいる姿を見るのはもっとツライもの。
「解熱剤などの薬で、なんとか早く熱を下げたい」
そう思うお母さんも多いのではないでしょうか。
「すぐに病院を受診できない時はどうしたらいい?」
「市販の解熱薬を飲んでもいいの?」
そんな疑問もわいてくると思います。
そこで今回は、インフルエンザの発熱時に使える市販薬の解熱剤と注意点について、お話します。
インフルエンザの発熱時に病院を受診できない場合の対処法
インフルエンザや風邪の時に熱が出るのは、ウィルスと戦うために体の免疫力を高めるためだからです。
「高熱だ!大変!!」と解熱剤などで熱を下げてしまうと、
ウイルスと十分に戦うことができず、かえって治りにくくなることがあります。
熱が高くても、そのままの方が、解熱剤を飲むよりも治りが早いことが多いです。
だから、インフルエンザの流行時期に急に発熱しても、慌てなくても大丈夫。
病院を受診できない時は、こまめに水分補給をしながら、ゆっくり休みましょう。
[voice icon=”https://mampharm.com/wp-content/uploads/2019/04/happiehug_illust_2.jpg” name=”薬剤師 安美” type=”l”]赤ちゃんやまだ小さなおこさん、いつもと様子が違う時は、迷わず受診してくださいね。[/voice]
タミフルやイナビル、リレンザといったインフルエンザ薬は、インフルエンザウィルスが増えるのを抑えることで、発熱が続く時間を短くする効果があります。
解熱薬とは全く違う効き方です。
そして、インフルエンザ薬は病院を受診しないと処方してもらえず、市販薬はありません。
しかも、発熱して12時間以内だと、検査でインフルエンザ陰性と判定されてしまうこともあります。
インフルエンザ陰性だと、インフルエンザ薬も処方されないということになります。
発熱12時間後まで受診を待とうとなった時、その間、市販の風邪薬や解熱剤を飲んで様子をみようと思ったりしませんか?
それは危険です!!
基本的には、インフルエンザの疑いがある時は、市販の風邪薬や解熱剤は飲まない方がよいです。
インフルエンザの流行期、市販薬の解熱剤を飲む場合は注意が必要
市販薬の風邪薬は、たくさんのメーカーからいろいろな薬が販売されています。
ほとんどの市販の風邪薬は、総合感冒薬といわれるもの。
解熱剤や鼻水や咳をとめる成分など、複数の成分が配合されている薬が多いです。
市販の風邪薬に使われている解熱剤の多くは、NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)という成分です。
この成分の薬は、インフルエンザの時に飲むと、インフルエンザ脳症を発症するリスクが高いと言われています。
特に子どもの場合は注意が必要です。
詳しくは、【薬剤師解説】子どものインフルエンザの発熱に危険な市販の解熱剤に書いていますので、参考にしてください。
インフルエンザで高熱の時に使える市販薬の解熱剤はアセトアミノフェンのみ!
発熱しても必ずしも解熱剤はいらないのですが・・・
高熱で眠れない、
水分もとることができない、
こういった状態だと、体力を消耗してしまいます。
そういう場合は、解熱剤で一時的に熱を下げることもあります。
市販薬には、インフルエンザ脳症などのリスクを起こす可能性のある成分が含まれていることがありましたよね。
でも、どうしても、市販薬で対応したい!
そういう時には、安全性が高い成分、アセトアミノフェンの市販薬の解熱剤を選びましょう。
アセトアミノフェンは病院の薬でいうカロナールです。
市販薬の解熱剤としても薬局で買うことができます。
・タイレノールA
処方薬のカロナールと市販薬のタイレノールAは同じ成分ですか?に、病院でもらうカロナールと市販薬を詳しく比較しています。
・ラックル
タイレノールAもラックルも、15歳以上から飲むことができます。
15歳以下の子どもは飲めませんので注意してください。
子どもが使えるカロナールの市販薬は、タイレノール、小児用バファリンCⅡ、小児用バファリンチュアブル、バファリンルナJ、子どもパブロン坐薬、アルピニー坐薬などがあります。
市販のカロナールで子どもの頭痛に使えるものは?薬剤師オススメの選び方も参考にしてください。
もし解熱剤を飲んでも熱が下がらなかったとしても、続けて薬を飲まないでください。
薬と薬の間隔は、6時間以上あけるようにしてくださいね。
まとめ:インフルエンザの高熱を市販薬で下げたい!使える解熱剤は?
というわけで、
インフルエンザの発熱時に使える市販薬の解熱剤と注意点について、お話してきました。
インフルエンザの疑いがある発熱に使える解熱剤は、カロナールのみです。
もし、市販薬を使う場合は、合併症のリスクがある薬もあるので、注意が必要です。
薬剤師にインフルエンザかもしれないということを伝えてから選ぶようにしましょう。