こんにちは。
現役ママ薬剤師の安美です。
この記事では、市販薬のステロイド軟膏の強さのランク別一覧について解説します。
かゆみや湿疹、じんましん
皮膚科にいくと処方されるのが、ステロイドの塗り薬。
でも、皮膚科は混雑していて、忙しいとなかなか受診できない、
そういうこともありますよね。
「市販薬に同じステロイド軟膏がありますか?」
勤務先の薬局でも、時々患者さんから聞かれます。
そこで、わかりやすいように、市販薬のステロイド軟膏について強さのランク別に一覧表にしました!
病院でもらう医療用のステロイド軟膏との比較もしてみましたので、ぜひ読んでみて下さいね。
病院で処方される医療用ステロイド軟膏(処方薬)の強さランク一覧
ステロイドの塗り薬は、
炎症を抑えるはたらきや血管収縮作用の強さによって、5つのランクに分かれています。
【医療用ステロイド剤の強さのランク】
1. 最も強い(Strongest):体、本当にひどい炎症のときのみ
2. とても強い(Very Strong):体、他に皮膚の厚い手のひらや足に使うことが多い
3. 強い(Strong):幼児や高齢者はこの強さランク以下を使うことが一般的
4. 普通(Medium):顔や首にも使用可能
5. 弱い(Weak):目のまわりなど
ステロイド軟膏の使い方のコツについては、【薬剤師解説】ステロイド軟膏の効果的な塗り方3つのポイントを読んでみてくださいね!
医療用のステロイド軟膏の強さランク一覧表
病院で処方される医療用のステロイド軟膏の代表的なものについて、強さのランク別に一覧表にしてみました。
強さのランク | 商品名 |
最も強い (Strongest) |
デルモベート軟膏 |
ダイアコート軟膏 | |
とても強い (Very Strong) |
フルメタ軟膏 |
アンテベート軟膏 | |
トプシム軟膏 | |
リンデロンDP軟膏 | |
マイザー軟膏 | |
ネリゾナ軟膏 | |
強い (Strong) |
メサデルム軟膏 |
リンデロンV軟膏 | |
プロパデルム軟膏 | |
フルコート軟膏 | |
普通 (Medium) |
リドメックス軟膏 |
レダコート軟膏 | |
アルメタ軟膏 | |
キンダベート軟膏 | |
ロコイド軟膏 | |
弱い (Weak) |
プレドニゾロン軟膏 |
*勤務先の薬局にある製品を中心に、私の個人的な選択による代表的なものを一覧表にしました。
(世の中には、他にもステロイド軟膏があります。)
デルモベートやダイアコートは、<最も強い>ランク。
よく使われるリンデロンVGは、<強い>ランク。
赤ちゃんによく使われるロコイドやキンダベート、アルメタは<普通>の強さですね。
以前、皮膚科の患者さんが多い薬局で働いていた頃は、
リドメックスは<強い>ランクでしたが、今は、<普通>の強さになっていました。
なので、リドメックスは、<普通>の強さのステロイド軟膏の中でも、やや強めになります。
ステロイド軟膏の市販薬の強さランク別の一覧
薬局やドラッグストアで買えるステロイド軟膏の市販薬は、医療用よりも種類が少ないです。
ステロイドの強さでいうと、以下の3つの強さランクになります。
【市販薬のステロイド剤の強さのランク】
1. 強い(Strong)
2. 普通(Medium)
3. 弱い(Weak)
市販のステロイド軟膏には、
最も強い(Strongest)、とても強い(Very Strong)のランクのものはありません。
これは、ステロイド剤による副作用のリスクが出ないようするためにわざとそうなっていると考えられます。
強いものは処方せんが必要としているのだと思います。
幼児や高齢者は<強い、Strong>以下の強さのステロイドを使うことが一般的です
ステロイド軟膏の市販薬の強さランク一覧表
強さのランク | 商品名(市販薬) | 商品名(医療用、処方薬) |
強い (Strong) |
|
リンデロンV軟膏 |
強い (Strong) |
ベトネベートN軟膏AS* |
リンデロンVG軟膏 |
フルコートf軟膏* |
フルコート軟膏 | |
普通 (Medium) |
|
リドメックス軟膏 |
ロコイダン軟膏(50%) セロナ軟膏(50%) |
ロコイド軟膏 | |
弱い (Weak) |
テラコートリル軟膏a** | テラコートリル軟膏 |
クロマイP軟膏AS(60%) |
プレドニゾロン軟膏 |
表中の数字(%)は、医療用のステロイド剤に対する%です。
つまり、市販薬のロコイダン軟膏やセロナ軟膏の成分量は、ロコイド軟膏の50%、半分です。
*ベトネベートN軟膏ASとフルコートf軟膏には、ステロイド成分だけでなく、抗生物質としてフラジオマイシンが配合されています。
**テラコートリル軟膏についてこちらの記事で詳しく解説しています。
ステロイド市販薬のテラコートリル軟膏の使い方、ニキビにも有効?
ステロイド軟膏の市販薬については、こちらのブログ記事も参考にしてください。
ステロイド軟膏で顔に使用できる市販薬は?楽天で買える?現役薬剤師が解説!
リンデロンVG軟膏は顔の使用可能?市販薬を使う時には注意が必要!
ステロイド軟膏の市販薬で最強!病院処方薬と同じリンデロンVs軟膏
虫刺されといえば・・・ムヒのステロイドのランク(強さ)は?
市販薬の虫刺され薬といえば、ムヒ!という方も多いですよね?
ムヒにはステロイド入りのものとステロイド入っていないものがあります。
ステロイドが入っている方が、効き目はシャープで早くかゆみや赤みがひくと思います。
ムヒの名前って似ていますよね・・・
ステロイド入りのムヒはこちらになります。
・液体ムヒS、ムヒアルファSⅡ:デキサメタゾン酢酸エステル ⇒ 弱いランクのステロイド
・ムヒアルファEX:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(PVA)⇒ 普通ランクのステロイド
ムヒに入っているステロイドのランク(強さ)から考えると、ムヒアルファEX > 液体ムヒS、ムヒアルファSⅡということになります。
さいごに:ステロイド軟膏の市販薬の強さランク別の一覧、医療用と比較してみた!
というわけで、
市販薬のステロイド軟膏の強さのランク別一覧について、医療用ステロイド剤との比較も含めてお話してきました。
ステロイド軟膏は市販されていて、薬局やドラックストアでも購入することができます。
病院が休みの日や忙しくて受診できない時に、役にたつと思います。
その時は、この記事のステロイド軟膏の強さランク一覧表も参考にしてください!
ステロイド軟膏の市販薬を購入するときは、薬剤師さんに相談の上、使用説明書をよく読んでから使ってくださいね。