こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
今回は、最近よく腰痛やぎっくり腰に使われる湿布のロコアテープの注意点について、お話します。
ロキソニンテープやモーラステープと比べて、新しい湿布薬のロコアテープ。
あまり知らない方も多いかもしれないですよね。
ロコアテープは使い方に気をつけないといけない湿布なので、詳しくお話していきますね^^
腰痛に効く!ロコアテープとはどんな湿布?
子育て中に腰が痛くなることありませんか?
どうしても抱っこやオムツ替えとか、無理な姿勢になりがちですよね。
私は、子どもの陸上競技の応援で腰痛になりました^^;
一日中、競技場の固いイスに座っていたのがよくなかったようです・・・。
ぎっくり腰のような痛みで、イスに座ったり、運転するのも大変でした。
その時に役に立ったのが、湿布のロコアテープです。
ロコアテープは1日2枚までしか使えない湿布
ロコアテープは、関節の痛みに効果的な貼り薬です。
痛みを抑える成分が、皮膚から入って腫れや痛みを和らげます。
ロコアテープは、1日1回貼ることで効果が出る湿布です。
しかも、1日最大2枚まで(同時に2枚以上貼らない)という注意書きがあります。
時々、間違える患者さんがいらっしゃるのですが・・・
腰に1枚、肩に1枚貼ったら、合計2枚使用というわけで、それ以上は貼っちゃいけません。
ロキソニンテープやモーラステープなど湿布っていっぱいありますよね。
でも、1日に使える枚数が決まっている湿布って、ロコアテープだけです!
ロコアテープの吸収がよいからなんです。
ロコアテープを2枚貼るだけで、薬として飲んだ場合と同じ血中濃度になるそうです。
つまり、ロコアテープはとてもよく効く湿布ということ!
このハッカ油は有効成分の吸収を高めるために一役かっているそうです。
(配合されている理由の一つだと私は思います)
ロコアテープの主成分は、エスフルルビプロフェン。
以前から使われているアドフィードパップという湿布の成分です。
その有効成分の活性体(有効成分)のS体のみを取りだして薬とした湿布薬です。
消炎・鎮痛作用が強いうえ、経皮吸収性に優れ、また光毒性がみられないという特性があります。
ロコアテープの市販薬やジェネリック医薬品はある?
ロコアテープは、2016年から販売されたばかり。
なので、まだロコアテープのジェネリック医薬品(後発薬)はありません。
(2021年現在)
ロコアテープと全く同じ成分の市販薬の湿布も販売されていません。
(2021年現在)
ロコアテープを使う時の注意点
ロコアテープとロキソニン、セレコックスは併用しないこと!
先ほどお話ししたように、
ロコアテープはとても吸収がよい湿布です。
これはロコアテープの大きなメリットですが、
飲み薬と同じように、飲み合わせに気をつけないといけないという注意点にもなります。
というのが、
ロコアテープの痛みを抑える成分が、皮膚から吸収されて体全体へと巡ると、
飲み薬や坐薬など、他の鎮痛薬との併用は、胃腸への負担になるリスクがあります。
基本的には避けましょう。
湿布だけど、ロコアテープとロキソニン、セレコックスなどの鎮痛薬の飲み合わせに注意が必要です。
ボルタレン座薬なども併用しないようにしましょう。
ロキソニンやセレコックスといった腰痛など整形外科でよく処方される鎮痛薬との併用は避けた方がよいと考えます。
私の腰痛の場合、ロコアテープのみでかなり痛みが和らいだので、鎮痛薬は必要ありませんでした。
インフルエンザ流行時のロコアテープの使用は注意が必要です。
インフルエンザの関節痛や腰痛に湿布薬を貼っても大丈夫?で詳しく解説しているので、参考にしてくださいね!
ロコアテープとロキソニンテープの併用も避けましょう
「ロコアテープを使う時に、飲み薬のロキソニンとの飲み合わせというか、併用はダメとわかったけど、湿布のロキソニンテープなら併用しても大丈夫?」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれませんね。
大正製薬株式会社の医療者向け情報サイトでは、
ロコアテープと局所作用を期待する消炎鎮痛剤(NSAIDs貼付剤など)との併用は?とのFAQに対して以下のように回答されています。
ロコアテープの添付文書では、全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用について<用法・用量に関連する使用上の注意>に記載し注意喚起しています。
局所作用を期待する消炎鎮痛剤との併用については、特に添付文書上での注意記載に該当するものはありません。局所作用を期待する他のNSAIDsを併用する場合も、できるだけ必要最小限にとどめ、患者の状態に十分注意するようにしてください。
(以下省略)
添付文書には書いていいませんが、こちらの回答をみる限り、ロコアテープを使う時には、ロキソニンテープやモーラステープの併用は避けた方がよいと思います。
妊娠中のロコアテープの使用は注意
妊娠中も腰痛が起きやすいですよね。
ですが、妊娠後期(妊娠28週以降)の女性は、ロコアテープを使用することができません。
妊娠中にロコアテープを使用する際には、必ず医師に相談しましょう。
ロコアテープの添付文書によると、
妊娠後期のラットに投与した試験で母動物の死亡、分娩遅延、出生率の低下及び死産児数の増加が認められたこと、フルルビプロフェンを妊娠後期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が高度であったと報告されていることから設定されています。
粘着力が強力なロコアテープを剥がすコツ
確かに、私が腰痛で使った時も、ロコアテープを剥がすときに、皮膚がのびているのを感じました^^;
肌が弱い方にはツライですよね。
そういう時には、お風呂に入っているときにロコアテープを剥がすとよいです!
ロコアテープには、水に塗らすと剥がれやすい特徴があります。
さいごに:腰痛に効くロコアテープの注意点、ロキソニンや湿布と併用は大丈夫?
というわけで、
最近よく腰痛に使われる湿布のロコアテープの注意点について、お話してきました。
ロコアテープはとても吸収がよい湿布です。
・1日1回、最大2枚までの使用にすること
・ロキソニン、セレコックスなどの鎮痛薬とは併用しないこと
注意点を守って使えば、腰痛やぎっくり腰の痛みを和らげてくれる心強い湿布です。