「急に動悸がして不安になる」
「階段をあがっただけで息切れがする」
などの悩みはありませんか?
市販薬を試してみようかしら…。
六神丸(ろくしんがん)や救心(きゅうしん)が有名だけど、どちらを選べばよいのかわからないと迷う方も多いです。
六神丸と救心は、どちらも「動悸・息切れ・気つけ」に効果がありますが、実は配合されている生薬に違いがあります。
「病院の検査では『異常なし』と言われたけれど、急に動悸がすると不安になる」
私はこれまで薬剤師として、このような切実なご相談を受けてきました。
「西洋薬を飲むほどではないけれど、今の不安を何とかしたい」と感じている方にとって、自然由来の生薬で作られた六神丸や救心は心強い味方になります。
この記事では、現役薬剤師の視点から、六神丸と救心の成分・価格・副作用、そしてメーカー別の特徴まで徹底比較しました。
現場で実際に喜ばれた事例をもとに、あなたに最適な選び方をわかりやすくお伝えします。
六神丸と救心の違いを一覧表で比較

六神丸と救心の最大の違いは、含まれる生薬成分の違いにあります。
結論からいうと、伝統的な少数精鋭の成分でシャープな効き目を求めるなら六神丸、より多くの生薬による多角的なサポートを求めるなら「救心」を選ぶのが一般的です。
まずは、比較表で違いを確認してみましょう。
| 比較項目 | 六神丸(代表的な例) | 救心 |
| 主な成分数 | 6種類(メーカーにより異なる) | 8種類 |
| 特徴的な成分 | センソ、ゴオウ、ジャコウなど | センソ、ゴオウ、ジンコウなど |
| 得意な症状 | 動悸、息切れ、気つけ | 動悸、息切れ、気つけ |
| 剤形 | 丸剤(粒)が主流 | 丸剤、錠剤、カプセル |
どちらも動悸・息切れに効くという点では共通しています。
ただし、メーカーごとに希少生薬であるジャコウ(麝香)の有無や救心には女性向けに特化した製品があるといった意外と細かい違いがあります。
そこで、薬剤師として見逃せない六神丸と救心の違いについて、詳しく深掘りしていきます。
六神丸と救心の決定的な3つの違い

六神丸と救心の主な違いは、配合されている「生薬の数」と「希少生薬の種類」、そして「剤形のバリエーション」の3点です。
どちらも心臓の働きを助ける強心薬の基本となる成分センソがメインですが、その他の構成生薬にそれぞれの個性が現れています。
薬剤師の視点で、とくに注目すべき3つの違いを解説します。
違い1:配合成分と数の違い、シンプルか多成分か
六神丸は「少数精鋭のシンプル処方」、救心は「多角的にアプローチする多成分処方」という違いがあります。
六神丸はその名の通り、基本的には6種類の生薬から構成されています。
余計なものを削ぎ落とし、心臓への作用に特化した伝統的な配合が特徴です。
一方、救心は8種類の生薬を配合しています。
心筋の収縮力を高める成分に加え、ストレスや緊張を和らげる鎮静作用を持つ生薬がより多く含まれており、自律神経の乱れからくる動悸などへの効果も期待できます。
違い2:希少生薬「ジャコウ」の有無と役割
最も大きな成分上の違いは、気つけに重要なジャコウ(麝香)が含まれているかどうかです。
救心には現在ジャコウは配合されておらず、代わりにジンコウ(沈香)などがその役割を担っています。
しかし、六神丸の中には、現在でも大変希少なジャコウを配合しているメーカー(養命製薬など)が存在します。
ジャコウは意識の混濁を改善させる開竅(かいきょう)作用に優れており、気つけの効果をより重視したい場合には、ジャコウ入りの六神丸が有力な選択肢となります。
なお、ジャコウやセンソといった生薬の定義については、日本国内の医薬品の規格基準書である『第十八改正日本薬局方』においても、その品質と薬理作用が厳格に定められています。
伝統的な六神丸が今もなお強心薬として重宝されるのは、これら厳選された動物性生薬の力によるものです。
第十八改正日本薬局方(厚生労働省)
違い3:形状(丸剤・錠剤・カプセル)のバリエーション
救心は剤形の選択肢の多さが特徴的です。
六神丸はそのほとんどが伝統的な黒い極小の粒(丸剤)です。
丸剤は口の中で溶けやすく、成分が素早く吸収されるため即効性が期待できるのがメリットです。
救心は、伝統的な丸剤だけでなく、生薬特有のニオイや味が気にならない救心錠剤や救心カプセルFなど、現代人のニーズに合わせた剤形を展開しています。
外出先での飲みやすさや生薬の味が苦手な方には、救心の剤型バリエーションの豊富さは魅力的です。
【メーカー比較】六神丸にはどんな種類がある?
救心は救心製薬株式会社が製造する単一のブランドですが、六神丸は複数のメーカーから発売されており、それぞれ成分やこだわりのポイントが異なります。
救心は救心製薬の登録商標ですが、六神丸は多くのメーカーで作られる一般名のようなものです。
救心はテレビCMなどの影響で圧倒的な知名度がありますが、六神丸は古くから地域に根ざした家庭薬として発展してきた歴史があります。
ここでは、現在入手しやすい主要なメーカーとその特徴を整理しました。
圧倒的なブランド力と実績の救心(救心製薬)
救心は、現代人のストレス社会に合わせた独自の配合と剤形の豊富さが最大の特徴です。
救心製薬は、強心薬のトップメーカーとして研究を重ねており、単に心臓を元気にするだけでなく、自律神経のバランスを整える生薬(ジンコウやレイヨウカクなど)を巧みに組み合わせています。
また、伝統的な丸剤だけでなく、仕事中にも飲みやすい錠剤や女性向けに特化したカプセル剤など、ライフスタイルに合わせて選べるラインナップが他社にはない強みです。
江戸時代から続く伝統の虔脩ホリ六神丸(堀廣旭堂)
ホリ六神丸は、伝統的な六神丸の処方を忠実に守り続けている、信頼の厚いロングセラー商品です。
富山の置き薬としても有名なホリの六神丸は、動物性生薬を中心とした非常にシンプルな構成。
余計なものを入れない少数精鋭の成分で、動悸や息切れへのシャープな働きを期待する根強いファンが多いのが特徴です。
「昔ながらの、しっかりとした六神丸を使いたい」という方には、まず検討してほしい一品です。
希少なジャコウ配合にこだわる養命製薬の六神丸
ジャコウ(麝香)という非常に希少で高価な生薬を配合しているのが、養命製薬の大きな特徴です。
ワシントン条約などの影響で入手が極めて困難となっているジャコウですが、養命製薬の六神丸には、この強力な気つけ作用を持つ成分が含まれています。
ストレスによる気絶しそうなほどの重い疲れや激しい動悸など、より力強いサポートを求める方の間で高く評価されています。

もし、救心などで効果がイマイチと感じた場合は、ジャコウ入り六神丸を試してみるのも選択肢のひとつだと思います。
六神丸と救心どっちが安い?1日あたりの値段・コスパを比較
強心薬は継続して服用する場合もあり、1日あたりのコスト(コスパ)は大切なポイントです。
一般的に、ブランド認知度の高い救心に比べ、伝統的な「六神丸」の方が1回あたりの単価が抑えられる傾向にあります。ここでは、主要な製品のコスト目安を比較しました。
【比較表】主要製品のコストの目安(1日あたり)
各メーカーの標準的な容量をもとに、1日3回服用した場合の概算コストを算出しました。
| 製品名 | 容量の例 | 1日あたりの コスト目安 |
特徴 |
| 救心 (丸剤) |
60粒入 | 約200円〜300円 | 知名度が高く、 どこでも買える安心感 |
| ホリ六神丸 | 108粒入 | 約120円〜180円 | 六神丸の定番。 救心より割安な傾向 |
| 養命製薬 六神丸 |
120粒入 | 約150円〜250円 | 希少なジャコウ配合のため、 六神丸の中では高め |
※価格はオープン価格や販売店により異なるため、あくまで目安です。
正確な最新価格については、以下のリンクからAmazonのリアルタイムな販売価格をご確認ください。
Amazonで「救心」をチェック Amazonで「六神丸」をチェック
たくさん入っているサイズを選ぶとさらにお得になる
長期的に服用する可能性があるなら、最小サイズではなく大容量サイズを選ぶことで、1日あたりのコストを抑えることが可能です。
■救心60錠
■虔修六神丸 112粒
ただし、強心薬は「たまに動悸がした時だけ飲む」という使い方も多いので、まずは最小単位(30粒入など)で自分に合うかどうかを試してみるのを薬剤師としておすすめします。
とくに、初めて服用する場合は、コスパよりも「自分の症状に合うかどうか」を優先して選びましょう。

以前、コストを気にして用法用量を守らず1粒ずつ飲んでいる方もいらっしゃいましたが、それでは本来の効果が発揮されません。
無理なく続けられる製品選びこそが大切です!
六神丸や救心の副作用や飲み合わせの注意点
強心薬は心臓に直接働きかける薬であるため、副作用や飲み合わせには十分な注意が必要です。
六神丸も救心も、主成分であるセンソ(蟾酥)の働きによって心筋の収縮力を高めます。
正しく使えば非常に心強い薬ですが、自己判断で誤った使い方をすると体に負担をかける可能性があります。
薬剤師としてとくに知っておいていただきたい注意点をまとめました。
六神丸や救心の副作用
服用後に皮膚の発疹、かゆみ、吐き気、嘔吐などの症状が現れた場合は、副作用の可能性があるため服用を中止してください。
主な副作用としては、消化器系の症状(吐き気など)や、過敏症による皮膚症状が報告されています。
また、強心成分が強く働きすぎると、かえって動悸が激しく感じられたり、脈が乱れたりすることもあります。
「いつもと違う」と感じたら、無理に服用を続けず、医師または薬剤師に相談しましょう。
医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。
より詳細な副作用情報や、過去の症例報告を確認したい場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の公式サイトで、各製品の添付文書を検索することをおすすめします。
六神丸と救心の併用は厳禁
六神丸と救心を一緒に飲んだり、他の強心薬と併用したりすることは絶対に避けてください。
多くの強心薬には共通してセンソが含まれています。
複数の強心薬を併用すると、この成分を過剰に摂取することになり、心臓に過度な負担がかかって大変危険です。
また、医師から処方されている心臓の薬(強心剤など)がある場合も、成分が重複したり作用に影響を与えたりするため、必ず事前に医師に確認してください。
血圧や不整脈がある場合の注意点
高血圧や心疾患、不整脈などの持病がある方は、服用前に必ず主治医の許可を得るようにしてください。
強心薬は一時的な動悸や息切れを緩和するためのものであり、血圧そのものを治療したり、不整脈を根本から治したりする薬ではありません。
「寝る前に飲むと落ち着く」という声もありますが、根本的な原因が別の疾患にある場合、市販薬での対処が受診の遅れにつながる恐れがあります。
症状が頻繁に起こる、または長引く場合は、安易に市販薬に頼りすぎないことが大切です。
【薬剤師が推奨】六神丸と救心、あなたに合うのはどっち?
六神丸と救心のどちらを選ぶべきかは、「何を最も重視するか」によって決まります。
どちらも優れた強心薬ですが、配合生薬の特性や剤形の違いから、適したタイプが分かれます。
薬剤師の視点で、タイプ別のおすすめをまとめました。
即効性と伝統を重視するなら六神丸
「ここぞという時の気つけ」や無駄のないシンプルな処方を求める方には六神丸がおすすめです。
六神丸は成分が厳選されているため、生薬本来のシャープな働きが期待できます。
とくに、ジャコウ入りの製品は、意識がボーッとするような疲れや、強いストレスを感じた時の気つけとして非常に定評があります。
昔ながらの黒い小粒を口の中でサッと溶かして飲むスタイルに抵抗がなく、コストパフォーマンスを重視したい方に向いています。
実際に薬局で対応したある年配の女性は、
「検査をしても心臓に異常はない。でも時々ドキドキして不安……。強い西洋薬を飲むのは抵抗があるけれど、自然の生薬なら安心して試せる」
と六神丸をお守り代わりに選ばれていました。
病院で「異常なし」と言われるのは安心な反面、「じゃあこの苦しさはどうすればいいの?」と一人で抱え込んでしまいがちです。
生薬の力で心臓の働きをそっと支えることで、体の症状だけでなく心まで軽くなる方もいらっしゃいます。
飲みやすさと実績で選ぶなら「救心」
初めて強心薬を試す方や外出先でも手軽に服用したい方には救心がおすすめです。
救心は8種類の生薬がバランスよく配合されており、動悸だけでなく自律神経の乱れによる不安感などにも幅広く対応してくれます。
また、救心錠剤のようにニオイが気にならないタイプがあるのも大きな魅力です。
・救心錠剤:従来の丸剤に比べて、より服用しやすい形状。
・救心丸剤:伝統的な丸剤形態。
ブランドとしての安心感もあり、日常的な動悸や息切れのセルフケアとして、どなたでも手に取りやすいのが救心の強みです。
40代・50代女性の更年期・冷えには「救心カプセルF」
動悸に加えて冷えやイライラ、ホットフラッシュなど更年期特有の不調が気になる女性には、救心カプセルFがおすすめです。

実は、救心シリーズの中でもこの救心カプセルFにだけ、血行を促進し女性ホルモンのバランスを整えるサフランという生薬が配合されています。
「更年期だから仕方ない」とあきらめていた、急な発汗(ホットフラッシュ)を伴う動悸や手足の冷えも同時にケアできるのは大きなメリットです。
カプセルタイプで飲みやすく、生薬特有の味やニオイもしないため、漢方薬が苦手な方も問題なく、忙しい時にも手軽に服用できます。

「病院へ行くほどではないけれど、仕事中にふと不安になる」という働く女性のお客様にカプセルFをご紹介した後、「あの独特の苦味やニオイがなくて、会議前でもサッと飲めるのが本当に助かる」と喜んでいただけたことが非常に印象に残っています。
まとめ:六神丸と救心、どちらを選ぶべき?
六神丸がおすすめな人
✅なるべくシンプル処方がいい
✅ジャコウ入りを試したい
救心がおすすめな人
✅成分数が多い方が安心
✅ゴオウ多めがよい
✅カプセルや錠剤がよい
✅女性の冷え・PMSも気になる(サフラン配合F)
とくに、女性の方で、冷えや月経に関連する不調(生理痛やPMSなど)がある方には、血行改善効果があるサフランを唯一含む(六神丸+サフランという処方)救心カプセルFがおすすめです。


サフランは、女性ホルモンを整える・血行をよくして体を温める・精神を安定させるという効果が期待されて、漢方薬としても使われているんです!
六神丸や救心のよくある質問

六神丸や救心の服用時によくある質問をまとめました。
Q:不整脈があっても飲んで大丈夫?
持病がある場合は、必ず主治医に相談してから服用してください。
強心薬は心筋の収縮力を高める作用があるため、不整脈の種類や原因によっては症状に影響を与える可能性があります。
市販薬で自己判断するのではなく、まずは医療機関での診断を優先しましょう。
Q:血圧への影響はある?
血圧を直接治療する薬ではありませんが、配合生薬が循環器系に働きかけるため注意が必要です。
高血圧の治療を受けている方は、処方薬との兼ね合いもあるため、主治医や薬剤師への確認が必須です。
また、血圧の変動に伴う動悸・息切れに安易に使うのは避けましょう。
Q:寝る前に飲んでもいい?
就寝前の服用自体は可能ですが、カフェインのように興奮させる成分は含まれていません。
ただし、心臓のドキドキで眠れない原因がストレスや自律神経にある場合は、鎮静作用のある生薬を含む救心の方が適している場合があります。
症状に合わせて選ぶのがポイントです。
Q: 更年期の動悸に六神丸や救心を使ってもいいですか?
更年期は自律神経が乱れやすく、動悸で悩む女性も多いです。
生薬の力で心臓の働きをサポートすることで、不安感や動悸が和らぎ、毎日の生活が楽になる方もいらっしゃいます。
まとめ:六神丸と救心の違いを薬剤師が解説
六神丸と救心は、どちらも動悸や息切れに効果的な伝統ある強心薬ですが、以下のポイントで使い分けるのが正解です。
- 六神丸:昔ながらのシンプル処方。とくに、ジャコウ入りのものは、しっかり気つけをしたい方におすすめ。
- 救心:8種類の生薬で多角的にケアしたい方や錠剤・カプセルなど飲みやすさを重視する方に最適。
- 女性の悩み:40代・50代特有の更年期や冷えに伴う動悸には、サフラン配合の救心カプセルFが薬剤師のイチオシ。
- コスト面:1日あたりの価格を抑えたいなら六神丸、ブランドの安心感で選ぶなら救心が目安。
「最近、階段の上り下りですぐ息が切れる」
「急に胸がドキドキして不安になる」
という方は、まずは自分の症状やライフスタイルに合ったものを選んでみてくださいね。

強心薬はあくまで一時的な症状緩和に使う薬です。
症状が続く場合は医療機関を受診してくださいね!

