こんにちは! 現役ママ薬剤師の安美です。
おしりや肛門のかゆみや痛みが続くとつらいですよね。
この記事では、amazonのランキング上位の痔の炎症に使われる市販薬、オシリアについて、解説します。
デリケートゾーンのかゆみによく使われるフェミニーナ軟膏やデリケアとの違いについてもお話ししますね!
ステロイド配合のオシリアは痔のかゆみや痛みに効果的!
オシリアはどんな薬?
おしりのかゆみはいろいろな原因でおこりますが、はっきりとわからないことも多いです。
おしりのかゆみはいろいろな原因でおこります。痔核、痔瘻、便の漏れなどの肛門疾患によるもの。下痢や便の付着による皮膚炎。細菌、真菌、ウイルスによる感染や寄生虫などによるもの。軟膏や石鹸のかぶれによるもの。カフェインを含む飲食物によるもの。糖尿病、肝疾患、腎疾患などの全身疾患によるもの。婦人科疾患によるもの。皮膚の腫瘍によるもの。テトラサイクリンなどの内服薬の副作用によるものなどがあります。ところが、多くの場合は原因がはっきりしません。原因がはっきりしません。
その他に最近では「温水便座症候群」が問題となっています。温水便座が普及し、使いすぎによるかゆみが増えています。洗いすぎにより、皮膚の油成分が流され、皮膚が乾燥し、バリア機能が低下し、かゆくなります。また皮膚の常在菌までもが洗い流され、有害な細菌による感染が起こりやすくなります。よくおしりを清潔と言いますが、度が過ぎるとかえってかゆみの原因となるので、注意が必要です。
原因が分からない場合、かゆみや炎症を抑える薬で対処することになります。
オシリアは、「肛門のぶり返すかゆみ・痛みに」とパッケージに記載されている小林製薬から発売されている市販の塗り薬です。
【オシリアの効能・効果】
きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み・かゆみ・はれ・出血の緩和及び消毒
きれ痔などによる肛門部のかゆみ・はれ・痛みのための軟膏剤。
あくまで、「痔によるかゆみや痛みに使うこと」になっています。
痔では肛門の周辺に炎症ができて腫れや痛みが出やすいんですね。
ただし、添付文書には、「肛門部にかゆみや痛みなどを感じた際に、適量を塗布してください。」とあるので、肛門やおしりのかゆみや痛みといったトラブルにも使えることになります。
顔や腕など他の部位や虫刺されには使わないようにしましょう。
【オシリアの有効成分】
・ヒドロコルチゾン酢酸エステル:炎症を抑える(ステロイド成分)
・ジフェンヒドラミン塩酸塩:かゆみを鎮める
・リドカイン:痛みやかゆみを和らげる
・イソプロピルメチルフェノール:殺菌作用(かきむしりによる化膿を防ぐ)
・トコフェロール酢酸エステル:血行をよくして皮膚の回復を促す
オシリアの特徴は、ステロイド成分が入っていることです。
もう少し詳しくお話ししますね。
市販薬オシリアのステロイドの強さは?使う時は注意が必要!
オシリアには、ヒドロコルチゾン酢酸エステルというステロイド成分が配合されています。
これは、ステロイドの強さのランクの中では、1番弱い(Weak)のステロイドです。
ちなみに、ヒドロコルチゾン酢酸エステルと酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンは同じで違いはありません。
病院で処方される(医療用)のコルテス軟膏、コルテスクリームと同じ成分です。
オシリアのステロイド成分は医療用の痔の塗り薬、プロクトセディル軟膏のステロイド成分と同じです。
ステロイドの強さのランク的には、おしりに使うことができます。
ステロイドは皮膚が薄いほど、体への吸収率が高くなります。
例えば、前腕(内側)の吸収率を1.0とした場合、陰部は42倍の吸収率、
つまり、ステロイドが吸収されやすい場所というわけです。
それだけに、使用する場合には注意が必要です。
オシリアには、「痔によるかゆみや痛みに使うこと」と但し書きがあるのはそのためです。
医療用の場合、医師の診察のもとに経過を見ながら使うので、副作用を未然に防ぐ、最小限にすることができます。
市販薬の場合はそれができません。
なので、オシリアを使う場合は、以下のことに注意してください。
・塗るのは、1日3回までとする
・続けて塗るのは、10日までとする
症状が改善しない場合には、使用を中止して受診してください。
市販薬オシリアとデリケア(デリケアエムズ、デリケアb)との違い
デリケートゾーンのかゆみに使われる市販の塗り薬にデリケアがあります。
オシリアとデリケア(デリケアエムズ、デリケアb)の違いを比較しました。
成分(100g中) | オシリア | デリケアエムズ | デリケアb |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | なし | なし |
リドカイン | 3g | なし | なし |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 1.0g | 2.0g | 1.0g |
グリチルレチン酸 | なし | 0.2g | 0.5g |
イソプロピルメチルフェノール | 0.1g | 0.1g | 1.5g |
トコフェロール酢酸エステル | 3g | 0.5g | 0.5g |
l-メントール | なし | 0.5g | なし |
デリケアエムズとデリケアbの違いについては、女性も使える市販薬の痒み止めデリケアエムズ、フェミニーナとの違いにて解説しています。
大きな違いは、
・オシリアにはステロイドが入っている=炎症を抑える効果が期待できる
・オシリアにはリドカインが入っている=かゆみを和らげる効果もある
・l-メントールが入っているのはデリケアエムズだけ=刺激感がある
です。
ステロイド配合なのでオリシアの方が効果の切れ味はよいですが、それだけに先ほどお話したように使う時には注意が必要です。
デリケアでもかゆみが和らぐならば、非ステロイドで気軽に使えるメリットがあります。
市販薬オシリアとフェミニーナ軟膏との違いは?
陰部やデリケートゾーンのかゆみといえば、フェミニーナ軟膏も有名です。
今度は、オリシアとフェミニーナ軟膏の違いを比較してみました。
成分 | オシリア | フェミニーナ軟膏 |
ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 0.5g | なし |
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 1.0g | 2.0g |
イソプロピルメチルフェノール | 0.1g | 0.1g |
トコフェロール酢酸エステル | 3.0g | 0.3g |
リドカイン | 3.0g | 2.0g |
*フェミニーナ軟膏もステロイド成分は入っていません(非ステロイド)。
オリシアとフェミニーナ軟膏を比較すると、結構似たような成分でできていることがわかります。
大きな違いは、ステロイドが入っているかいないか、それだけですね。
痔の市販薬は他にもあります。
ボラギノールについては、痔の市販薬ボラギノールAとMの違い、プリザエースとの比較を解説!を参考にしてください。
市販薬オシリアを使う場合の注意点
オリシアは痔によるかゆみや痛みに使うこと
繰り返しになりますが、
オリシアは、きれ痔などによる肛門部のかゆみ・はれ・痛みのための軟膏剤です。
あくまで、「痔によるかゆみや痛みに使うこと」になっています。
使うときは必ず以下のことを守ってください。
・塗るのは、1日3回までとする
・続けて塗るのは、10日までとする
症状が改善しない場合には、使用を中止して受診してください。
オシリアは授乳中に使える?
オリシアは、授乳中でも使うことができます。
ただし、産後は肌が敏感な時期なので、効かない、悪化する場合は、すぐに受診するようにしましょう。
オシリアはどこに売っている?
オシリアは薬局やドラックストアで売っています。
また、Amazonなどのネット通販でも買うことができます。
なお、オシリアはセルフメディケーション税制の対象にはなりません。
セルフメディケーション税制については、医療費控除のセルフメディケーション税制で確定申告できるかも!の記事を参考にしてくださいね!
さいごに:市販の痔の薬オシリア、フェミニーナ軟膏やデリケアの違いとは?
というわけで、
痔の痛みやかゆみに効果的な市販薬オシリアについてお話ししてきました。
・オシリアは弱いランクのステロイドを含む市販の塗り薬。
・ステロイドの強さランクではおしりに使えるが、長期間は使用しない。
・オシリアは授乳中でも使える。
オシリアにはこのような特徴があります。
「ドラックストアに買いにいく暇もない!」
という人には、ネット通販のメール便なら、家に帰ったらポストに届いているので、手間要らずでおすすめです。