こんにちは! 現役ママ薬剤師の安美です。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌、敏感肌の方にはお馴染みの白色ワセリン。
皮膚科や小児科といった病院でもよく処方される保湿剤です。
市販もされていますね^^
ワセリンは、色は透明でベタっとした使用感。
そして、似たような保湿剤に、プロペトやサンホワイトなどがあります。
聞いたことありませんか?
見た目はとってもよく似ていますが・・・
ワセリンとプロペト、サンホワイトには違いがあります。
全く同じというわけではないんですね。
この違いを知ると、より自分にあった保湿剤を選ぶことができます。
そこで今回は、保湿剤のワセリンとプロペト、サンホワイトの違いと使い方について、お話しします。
保湿剤、白色ワセリンについて
白色ワセリン(ワセリン)は、石油から精製された軟膏です。
<原油>と聞くと、体に悪そうに感じますが、そんなことはありません。
精製技術が格段によくなったので、不純物もほとんど取り除かれています。
安心して使えます。
ワセリンは医療用(病院の薬)もありますが、市販もされています。
使いやすいチューブタイプもあります。
(ベビーと書いてありますが、中身は普通の白色ワセリンと同じです)
ちなみに、ヴァセリンとワセリンは違います!
ワセリン=白色ワセリン、ヴァセリン=黄色ワセリンです。
ワセリンは白くてべたーっとしています。
その特徴を生かして、
ワセリンを塗ると、皮膚の表面に油分の膜をつくり肌を保護します。
そして、皮膚に膜を張ることで水分が奪われるのを防ぎます。
つまり、ワセリンは、うるおいをあたえる保湿ではなく、肌にカバーして乾燥を防ぐことで保湿します。
乾燥や炎症で肌のバリア機能が弱くなっているときにワセリンを使うと、
肌が正常に戻るまでワセリンがカバーして、
ほこりやアレルゲンが体に入るのを防ぐはたらきをします。
ワセリンは、外の刺激から肌を保護するために使うのもおすすめです。
例えば、よだれかぶれやおむつかぶれしやすい時に、
直接肌につかないように、前もってワセリンを塗ってカバーするという使い方ですね。
ワセリンは、顔や唇、体全体の保湿に使われています。
私はやや乾燥肌ですが、ワセリンを問題なくリップクリームかわりに使っています。
ただ、アトピー性皮膚炎や敏感肌で、ワセリンのごくごく微量の不純物に反応してしまうケースもあります。
そういう時にはワセリンからさらに不純物を取り除いたものを使うと安心です!
白色ワセリンとプロペトの違いと選び方
ワセリンでも十分なのですが、
プロペトはさらに不純物が少ないので、皮膚科で顔に塗る時や赤ちゃんによく処方されます。
唇や目のまわりのデリケートなところに塗るのも安心です。
「アトピー性皮膚炎や敏感肌で
なかなか自分にあう保湿剤がみつからない!」
そういう場合は、ワセリンよりもプロペトを選びましょう。
私は、ワセリンでも、プロペトでも、特に違いはありませんでした。
ちょっと乾燥が気になる程度なら、白色ワセリンでもプロペトでもどっちでも使えると思います。
白色ワセリンとサンホワイトの違いと選び方
プロペトの純度をさらに高めた保湿剤もあります。
それが、サンホワイトです。
特殊な水素化精製法により、不純物をほぼ完全に除去されており、ワセリンの中で最も純度が高いです。
ワセリンに含まれる不純物を取り除くことで、太陽光の影響をうけにくく、色の変化がほとんどありません。
サンホワイトは、医療用(病院の薬)にはありません。
保険適用外なので、自分で購入するしかありません。
(皮膚科で販売しているケースもあります。)
サンホワイトは市販されていますが、ワセリンと比べると値段は高いです。
サンホワイトは、プロペトでも刺激を感じたり、かゆみが出る超敏感肌の方、肌の弱い赤ちゃんに使われます。
ワセリンよりべたつきが少ない少しゆるめの軟膏で、半透明です。
サンホワイトはワセリンやプロペトより、のびがよいので塗りやすいです。
敏感肌の方は、塗り方にもひと工夫するとよいです。
まず、サンホワイトを手のひらでよくなじませます。
そして、肌をこすらずに、手のひらを肌にやさしく押さえるようにして塗りましょう。
(サンホワイトは肌の表面温度でよくのびるように硬さが調節されています。)
さいごに:白色ワセリンとプロペト、サンホワイトの違いと選び方【薬剤師解説】
というわけで、
保湿剤の白色ワセリンとプロペト、サンホワイトの違いと選び方について、お話ししてきました。
精製純度の順=肌への刺激の少なさは、サンホワイト>プロペト>白色ワセリンです。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌、敏感肌の方は、プロペトかサンホワイトを選ぶと安心かと思います。
サンホワイトは、市販品しかありませんが、のびがよくて塗りやすいので、子どもにも使いやすいです。