こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
先日、高脂血症の治療薬リバロOD1mg錠が自主回収となりました。
薬の自主回収っていうのは、
健康被害が出る恐れがある薬を製薬メーカーが自主的に回収、出荷停止にすること。
しかも、今回は先発薬リバロOD1mgとそのオーソライズド ジェネリック(AG、後発医薬品)のピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」も自主回収となりました。
勤務先の薬局では代替え品の確保で大慌てでした。
これまでリバロを服用していた患者さんにとっても、「何が起きたの?」と疑問に思いますよね。
この記事では、先発薬リバロOD1mg錠と後発医薬品ピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」の自主回収について詳しくお話します。
高脂血症治療薬、リバロOD1mg錠の自主回収の理由とは?
リバロ錠は、HMG-CoA還元酵素阻害剤といわれ、肝臓のコレステロール合成を阻害することにより、血液中のコレステロールを低下させる薬です。
リバロ錠には、以下の種類があります。
・リバロ錠1㎎、リバロ錠2㎎、リバロ錠4㎎
・リバロOD1㎎錠、リバロOD2㎎錠、リバロOD錠4㎎
OD=Orally Disitegration(口腔内崩壊錠)。
口の中ですぐに唾液で解けるラムネのような薬です。
水なしでも飲めますが、水で飲んでも構いません。
今回、自主回収になったリバロ錠はリバロOD錠1mgのみです。
その原因は、薬の安定性を調べる純度試験で、使用期限(有効期間の3年間)までの安定性を担保することができないと判明したためです。
リバロOD錠1㎎を全て回収し、当面の間出荷停止となりました。
(製造ラインに時間がかかるため、販売再開の目途は立っていないそうです)
リバロOD2㎎錠を飲んでいた方は、今回の自主回収とは問題ないのでそのまま。
これまでリバロOD錠1㎎を飲んでいた方は、リバロ錠1㎎に変更となったり、後発医薬品(ジェネリック)に変更となったと思います。
私の勤務先の薬局では、リバロOD1㎎錠からリバロ錠1㎎に変更となっています。
リバロOD1mg錠の自主回収では健康被害の報告はなし!
これまでリバロOD1㎎錠の自主回収に伴う健康被害は報告されていません。
今回の自主回収は、予防的処置の意味合いが強いです。
以前にあったメトグルコ錠やイトラコナゾール錠の自主回収のように健康被害に直結する可能性はほとんとなく、限りなくゼロに近いです。
「これまでリバロOD1㎎錠を飲んでいたけど大丈夫かしら…」と心配しないでくださいね。
一般的に薬局では有効期限ギリギリの薬を患者さんにお渡しすることはありません。
(私の勤務先の薬局の場合だと、年に数回、棚卸しがあり、有効期限をチェックしています)
リバロOD1mg錠だけでなく、ピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」も自主回収
リバロ錠、リバロOD錠には後発医薬品(ジェネリック医薬品)があります。
ピタバスタチン錠、ピタバスタチンOD錠です。
ピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」は、リバロOD1㎎錠のオーソライズド・ジェネリック(AG)です。
AGなのでリバロOD1㎎錠と同じ製造所、同じ方法で製造されている(薬の製造ラインが一緒)ため、今回、ピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」自主回収となっています。
オーソライズド ジェネリック(AG)については、オーソライズドジェネリック医薬品一覧表、日本初のAGはアレグラ!にて詳しく解説しています。ぜひお読みくださいね!
リバロOD1㎎錠と同じく、現時点までに健康被害は報告されていませんが、販売再開のめどもたっていません。
私の勤務先の薬局では、これまでピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」を服用していた方はピタバスタチンカルシウム錠1mg「KOG」への変更を説明しています。
OD錠(口腔内崩壊錠)であるかないかの違いだけで成分や添加物は変わりません。
これまで水で服用していなかった方にはしっかり水で飲むようにだけ確認しています。
さいごに:リバロ(ピタバスタチン)OD錠1mg自主回収は健康被害の心配なし
というわけで、
リバロOD1㎎錠の自主回収について詳しくお話してきました。
今回、先発薬のリバロOD1㎎錠(興和)と後発薬(オーソライズドジェネリック:AG)のピタバスタチンカルシウムOD錠1mg「KOG」(テイカ製薬)が自主回収となりました。
OD錠でない普通錠や他の用量(2㎎など)は自主回収の対象となっていません。
もしリバロOD1㎎錠を服用していて変更になり不安になったとしても健康被害の報告はなく、そのリスクも限りなくゼロに近いので安心してくださいね。