こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
今回は、ロキソニン(ロキソプロフェン)とお酒の飲み合わせについて、薬剤師の私の考えをお話したいと思います。
解熱鎮痛剤、痛み止めとしてよく使われるロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)。
「ロキソニンを飲んだ後にお酒を飲んでも大丈夫かな?」
「二日酔いの頭痛にロキソニンを飲みたい」
そう疑問に思うこともあるかと思います。
詳しくお話していきますね!
ロキソニン(ロキソプロフェン)とアルコールの飲み合わせは?
薬とお酒の飲み合わせに注意が必要な理由
お酒でロキソニンなどの薬を飲む人はいないと思います。
一般的には、お酒と薬の飲み合わせはよくありません。
薬もアルコールと同じ肝臓で分解・代謝されます。
肝臓への負担がかかってしまうからです。
薬の種類によっては、
飲酒して体にアルコールが残っている状態で薬を飲むと、薬の吸収や代謝に影響したり、中枢神経のはたらきを抑えたりする(眠気の原因)ため
・薬の効きめが強くなる
・副作用がでやすくなる
・効果が減る
ということがあるからです。
また、お酒を飲み過ぎると、胃酸と胃粘液のバランスが崩れて胃粘膜が荒れることもあります。
ウォッカなどアルコール度数の高いものをストレートで飲むのも胃への刺激になります。
お酒の濃度と量が適量を超えると、消化管に障害を起こします。口から摂取されたアルコールは食道を通り、胃で20%、小腸から残りの80%が吸収され体内(90%以上が肝臓で代謝されます)に入ります。アルコールは、消化管に直接障害を起こすほかに、粘膜の血流や消化液などに影響を与え、間接的にも障害を起こします。また消化管平滑筋内の蛋白質や神経を障害し、消化管の運動機能に影響を与えます。
薬の中には、胃腸障害を起こしやすいものもあります。
例えば、アスピリンをお酒と一緒に飲むと胃が荒れることがあることもあります。
それでは、ロキソニンとお酒の飲み合わせはどうでしょうか?
お酒、アルコールの影響をうけにくいロキソニンの飲み方
お酒を飲んだ後、体からアルコールが出ていくまでの時間は、性別や体重で違ってきます。
体重が約60kgの大人の男性の場合、
ビール中びん1本もしくは、日本酒1合もしくは、焼酎0.6合を飲んだ時、
このアルコールが体から消えるまでに約3~4時間かかると考えられています。
(アルコール健康医学協会より)。
なので、
お酒を飲んだ後にロキソニンを飲む場合は、目安として、3~4時間は空けて飲む、
こうすると、アルコールの影響はほとんどなくなります。
次に、先にロキソニンを飲んでしまった、この後に飲み会や接待でお酒を飲むのが心配という場合を考えてみましょう。
ロキソニンの添付文書によると、
ロキソニン60㎎を1錠飲んだ後、一番高い血中濃度の半分量まで減るのに約1.2時間、さらに1時間(服用後2時間)経つとその約半分(1/4)になり、服用後4時間以降はわずかな量です。
ロキソニンを飲んで2ー4時間以降だとほとんどお酒の影響は受けないと考えられます。
医療用と同じロキソニン60㎎を含む市販薬のバファリンEXの添付文書にも、以下のように書いてあります。
服用前後は飲酒しないで下さい。
【アルコール摂取時の服用は避けて下さい。
服用後2時間以内のアルコール摂取は避けて下さい。】
つまり、ロキソニンを服用する前後で飲酒の予定がある場合は、2-4時間あけてタイミングをずらすと飲み合わせの影響を受けにくいというわけですね。
また、ロキソニンはボルタレンなどの他の解熱鎮痛剤に比べて胃腸障害は少ない薬ですが、アルコールが胃粘膜を荒らす、胃への影響を考えると、飲み過ぎた時はロキソニンの服用は控えた方がいいかと思います。
二日酔いの頭痛にロキソニンを飲んでも大丈夫?
二日酔いの頭痛にロキソニンが効くことが報告されています。
二日酔い後の倦怠感、頭痛、悪心の治療のためのロキソプロフェンの全国ランダム化二重盲検プラセボ対照医師による試験
お酒を飲み過ぎた当日にロキソニンを飲むことはからだに負担になるのでよくないと思いますが、ある程度アルコールの代謝が進んだ翌日以降、頭痛がつらい時にロキソニンを1錠飲むのは問題ないと考えます。
二日酔いの頭痛の原因は、アルコールの代謝でできたアセトアルデヒド。これがなくならないと頭痛などの根本改善にはなりません。
水分をこまめにとりつつ、無理しないようにすごしてくださいね。
さいごに
というわけで、
ロキソニン(ロキソプロフェン)とお酒の飲み合わせについて、薬剤師の私の考えをお話してきました。
アルコールの影響を避けるために、ロキソニンの服用は飲酒前後の最低2時間はあける(できれば4時間以上)ようにしましょう。