こんにちは!
現役ママ薬剤師の安美です。
細菌感染の風邪、副鼻腔炎や膀胱炎の時に使われる抗生物質。
クラリス、フロモックス、クラビットなど種類もいろいろです。
今回は、抗生物質のアルコールの飲み合わせ、お酒との併用について、お話します。
抗生物質が処方されるということは、もちろん体調が悪い状態なわけですが・・・
「抗生物質を飲んでもお酒は飲める?何時間後ならいい?」
「今日、飲み会があるから薬を飲まない方がいい?」
勤務先の薬局でも聞かれることがあります。
それでは、詳しくお話していきますね!
抗生物質とお酒の飲み合わせ、アルコールと併用しても大丈夫?
薬とアルコールを一緒に飲んだ時に体で起きること
ビールやワインを飲んだ時、
アルコールは胃や小腸から吸収されて血液に入り、体全体にまわります。
そして、アルコールはほとんどが肝臓で代謝されます。
二酸化炭素に分解されたり、尿や汗として、体の外へ排泄されます。
もし、アルコールと薬を一緒に飲んでしまったとします。
肝臓は、アルコールの分解を優先的にします。
すると、肝臓での薬の代謝(分解)が後回しになってしまいます。
つまり、
薬が分解されずに体に存在する時間が長くなるってことなので、
薬の副作用が出やすい状態になってしまいます。
これが、薬とアルコールの併用はしてはいけないとされている理由だと私は考えます。
アルコールと飲み合わせの悪い抗生物質
薬剤師的には、薬とアルコールは一緒に飲まないように指導します。
その中でも、特に、アルコールと飲み合わせの悪い抗生物質がありますので注意してください。
■抗生物質
セフメタゾール、セフォぺラゾン、シオマリンなど:全て点滴や注射剤
飲み薬の抗生物質ではないので、あまり問題ないかもしれませんが、
お酒と一緒に飲むと、気持ち悪い、めまい、嘔吐、動悸などひどい二日酔いのような症状がでます。
■ピロリ除菌(二次除菌用)
ボノピオンパック(アモキシシリン(抗生物質)・タケキャブ・フラジールの3剤組み合わせ製剤)
3つのうちのフラジール(これ自体は抗生物質ではないです)が、アルコールの代謝を遅らせます。
お酒と一緒に飲むと、気持ち悪い、めまい、嘔吐、動悸などひどい二日酔いのような症状がでます。
ボノピオンパックは、薬を飲んでいる間はもちろんですが、飲み終わった後の一週間も飲酒したらいけないので注意してくださいね!
フラジールはピロリ菌除菌以外にも、
トリコモナス膣炎、感染性腸炎といった原虫症や細菌感染症にも使われる薬です。
その場合にも、お酒との併用には気をつけてください。
お酒飲んだ時に抗生物質を飲んで大丈夫かという疑問には、なぜ抗生物質を飲んでいるかを考えよう!
これまでお話してきたように、
一般的に、薬とアルコールは併用しないようにすべきです。
ただ、クラリスやフロモックスといった抗生物質とアルコールの飲み合わせ自体には、大きな問題はありません。
飲酒で抗生物質の効果がおちることはありません。
下痢、気持ち悪いといった抗生物質の副作用が強めに出る可能性はあります。
それよりも大事なのは、そもそも、体調が悪くて抗生物質を飲んでいるということです。
副鼻腔炎、膀胱炎、風邪をこじらせて細菌感染が起きた状態。
感染症で、免疫力も下がっている状態です。
アルコールは免疫力を下げるという報告もされています。
ただでさえ、体調不良の時にさらに追い打ちをかけるようなことは避けたいもの。
そういう時は、お酒も控えてゆっくり休むのが一番です!!
仕事の付き合いでどうしてもという時も、控えめにしましょうね。
さいごに
というわけで、
抗生物質とアルコールの飲み合わせ、お酒との併用について、お話してきました。
お酒を一緒に飲むことで、アルコールの作用が強く出てしまう抗生物質もあります。
アルコール自体が免疫力を低下させるという報告もあります。
私もお酒好きなので、飲みたい時に飲めないつらさはわかりますが・・・
抗生物質が必要な状態の時は、飲酒は休んで、ゆっくり休むことが大事だと思います!