こんにちは、ママ薬剤師の安美です。
「高校生になってから、子どものニキビがひどい」
お子さんのニキビケアにお母さんも悩んでいませんか?
でも、学校や部活で忙しいと、なかなか病院を受診できないことも多いですよね。
そんな悩みを解決するのが、薬局やドラックストアで売っている市販のニキビ治療薬です。
健康食品やサプリメントといった食品とは違い、医薬品なのでニキビへの効果が期待できます。
この記事では、中学生や高校生のニキビ対策に役立つ市販の塗り薬の違いとおすすめポイントについて、思春期ニキビの原因とともに薬剤師視点でまとめました。
市販のニキビ治療薬には飲み薬、塗り薬などいろいろと種類があって迷う場合の参考にしてくださいね!
思春期ニキビの原因は過剰な皮脂分泌
ニキビは青春のシンボルと言われたりもしますよね。
でも、実はニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気ってこと、知っていましたか?
ニキビは、皮脂の分泌量が多すぎて、不要な角質とともに毛穴につまることで生じます。
この状態をコメド(面ぽう)、白ニキビ、黒ニキビといいます。
黒ニキビと白ニキビの違いは、白ニキビの状態で毛穴がひらいてメラニン色素や酸化された皮脂などによって黒く見えるのが黒ニキビというところです
そこに、皮脂がつまったところにニキビの原因となるアクネ菌が増殖して炎症を起こすと、赤ニキビとなります。
思春期は、性ホルモン分泌の活性化やストレスなどが原因で皮脂の分泌が過剰になりやすく、ニキビができやすいと考えられています。
だから、中学生や高校生は、Tゾーンや鼻などの皮脂腺が集中している場所にニキビができやすいんですね。
思春期ニキビ対策のためのスキンケア
ニキビ対策として、すぐにできることといえば、スキンケアがあります。
日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドラインでも、
痤瘡(ニキビ)患者に 1日 2回の洗顔を推奨するとあります。
ですが、ゴシゴシ洗ったり、洗いすぎると、ニキビを刺激したり、肌のバリア機能を壊したりしかねません。
洗顔料をしっかり泡立て、泡でやさしく丁寧に洗うようにしましょう。
うちの中学生の息子も、鼻にニキビができ始めたので、
お風呂で石鹸で洗うようにいったところ、すぐに治りました!
スキンケアはニキビケアの基本ですね^^
そして、洗顔後はしっかり保湿もしてくださいね。
保湿液を選ぶ場合は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された化粧品を選ぶと安心です。
カネボウ化粧品HPより引用
ノンコメドジェニックテストとはなんですか?
ニキビを生じにくい製品かをチェックする試験です。塗布部でのコメド(ニキビのもと)の変化を観察し評価します。
すでにニキビでお悩みの場合は、やはりニキビ対策を考えた化粧水を使った方がよいと思います。
例えば、ノブ A アクネローションは、お肌にうるおいを与えにきびを防ぐにきび肌用化粧水。
もちろん、ノンコメドジェニックテスト済みで、無香料、無着色、低刺激性です。
ちなみに、ガイドラインのスキンケアの項目を追記すると、
オイルクレンジングで痤瘡(ニキビ)の個数は改善し、クレンジング使用による悪化はなかったとする報告があるため、オイルクレンジングは安全に使用できるメイク落しの一つの候補。
また、洗浄剤の成分に角層を剥がす粒子(スクラブ)が入っていてもいなくても有意差はないとする報告があるため、スクラブの有効性は確立されていないそうです。
思春期ニキビ対策におすすめ成分配合の市販の塗り薬4選
「スキンケアを気をつけていたのに、ニキビができる。
忙しくてなかなか皮膚科に行けないけど、ケアしたい。」
「皮膚科に行くほどひどくはないけれど、ぽつっとできたニキビが気になる」
重症でないニキビの場合は、市販薬の塗り薬でケアして様子をみるのもひとつの選択肢です。
市販のニキビ治療薬にはいろいろな種類があります。
その中で、思春期ニキビにおすすめの市販薬は、有効成分にイオウが入った塗り薬です。
イオウには
・毛穴のまわりの角質をやわらかくする
・毛穴につまった皮脂を分解する、過剰になっている皮脂を減らす
・ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する
というように、思春期ニキビに効果的なはたらきがあります。
日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドラインでも、
痤瘡に対してイオウ製剤外用を選択肢の一つとして推奨するとあります。
イオウが入ったニキビ治療薬の注意点としては、肌の乾燥です。
そのため、皮膚の乾燥が原因で起こる大人ニキビにイオウが入ったニキビ治療薬を使うと、逆効果になる可能性もあります。
それでは、思春期ニキビにおすすめの市販の塗り薬をご紹介します。
クレアラシル クリーム
昔から販売されているニキビ治療薬です。
【クレアラシルの有効成分】
・イオウ(3%):角質をやわらかくする、つまった皮脂を分解、抗菌作用
・レゾルシン(2%):アクネ菌を殺菌
・グリチルリチン酸二カリウム(0.5%):ニキビの炎症や赤みを抑える
・トコフェロール酢酸エステル (ビタミンE誘導体)(0.5%):血行をよくしてニキビ部分の治りを促す
イオウにアクネ菌を殺菌するレゾルシンや炎症を和らげるグリチルリチン酸をプラスして、思春期にキビに対して効果が期待できます。
肌に塗っても目立たない肌色タイプと通常の白色タイプがあります。
メンソレータム アクネス
クレアラシルと同じような内容のニキビ治療薬にメンソレータム アクネスもあります。
【メンソレータム アクネスの有効成分】
イオウ(3%):角質をやわらかくする、つまった皮脂を分解、抗菌作用
レゾルシン(2%):アクネ菌を殺菌
グリチルリチン酸二カリウム(0.3%):ニキビの炎症や赤みを抑える
トコフェロール酢酸エステル (ビタミンE誘導体)(0.5%):血行をよくしてニキビ部分の治りを促す
クレアラシルと比べると、グリチルリチン酸の濃度が若干低いですね。
エスカメル
エスカメルはクレアラシルやメンソレータムと比べると、あまり聞きなれない商品名ですが、配合されているイオウ濃度が高いという特徴があります。
【エスカメルの有効成分】
・イオウ(8%):角質をやわらかくする、つまった皮脂を分解、抗菌作用
・レゾルシン(2%):アクネ菌を殺菌
病院で処方されるイオウ製剤、イオウ・カンフルローションのイオウ濃度が6%なので、それよりも多いということになります。
それゆえに、使い方に注意点があり、他のニキビ治療薬は「1日数回塗る」となっていますが、エスカメルの場合は、「1日1回塗布(特に脂性の方は、2、3回塗布)」となっています。
ただ、イオウ濃度が高いということは乾燥するリスクもあるので、乾燥肌の人は選ばない方がよいと思います。
思春期ニキビに悩む脂性肌の方には、エスカメルの方が効果が期待できると個人的には思います。
ビフナイトn
最後にご紹介するのが、ビフナイトn。
ビフナイトnの特徴は、アクネ菌に対する成分がこれまでご紹介した市販のニキビ治療薬と違うというところにあります。
【ビフナイトnの有効成分】
イオウ(3%):角質をやわらかくする、つまった皮脂を分解、抗菌作用
イソプロピルメチルフェノール(1%):アクネ菌を殺菌
グリチルリチン酸二カリウム(0.3%):ニキビの炎症や赤みを抑える
イソプロピルメチルフェノールは、ニキビの原因となるアクネ菌だけでなくマラセチア菌に対するはたらきも期待できるとされています。
背中ニキビにも使いたい場合はこちらを選んだ方が効果的だと個人的には思います。
また、薬剤師的には、思春期ニキビに市販のテラコートリル軟膏はオススメしません。
その理由はこちらの記事、ステロイド市販薬のテラコートリル軟膏の使い方、ニキビにも有効?に詳しく書いています。
市販のニキビ治療薬の効果的な使い方
特別難しいことはないのですが・・・ニキビ治療薬の効果的な塗り方をまとめますね。
1:洗顔
スキンケアの項目でお話ししたように、やさしく洗顔をしてください。
化粧水を使う場合は、ニキビ治療薬を塗る前に使いましょう。
2:塗る
ニキビ治療薬を指もしくは綿棒にとり、ニキビの上だけにのせるように塗ります。
ゴシゴシとすりこんだり、ニキビ以外の部分に塗ったりしないように気をつけてください。
イオウ成分が入っているので、乾燥する可能性もあります。
その場合は、塗るのを中止してください。
ニキビ跡(痕)を残さないためにニキビ治療は早めにしっかりと!
ニキビと同時に悩みの種になるのが、ニキビ跡(痕)。
赤みや茶色いシミが残ったり、クレーターのような凹みができたり。
どのニキビ跡(痕)も、二キビの炎症が原因となります。
ニキビをちゃんと治療せずに放置しておくと、
強い炎症が続き、時間がたてばよくなるはずの赤みも消えなくなってしまいます。
また、炎症が起きた状態が長引くと、肌を守るためにメラニン色素が過剰につくられて茶色のニキビ跡になったりします。
さらに、ニキビが悪化して化膿してしまうと、肌に大きなダメージとなってきれいに再生しにくくなってしまいます。
この状態が凸凹ができた、クレーターです。
ニキビの炎症が長引いたり、悪化するほど、ニキビ跡(痕)の治療も難しくなってしまいます。
なので、ニキビ跡(痕)に悩まないためには、ニキビは早めにしっかり治療することが大事です。
ニキビを放置してニキビ跡(痕)がひどくなったら大変です!!
まとめ:思春期ニキビに効く市販薬は?薬剤師おすすめ4選の違いと選び方
というわけで、
思春期ニキビの対処法について、スキンケアや市販のニキビ治療薬(塗り薬)を中心にお話ししました。
通学や部活でなかなか皮膚科を受診できない中学生や高校生で
スキンケアだけでは思春期ニキビが改善しない場合は、
市販のニキビ治療薬を試してみるのも選択肢の一つだと思います。
ネットで買える通販なら、薬局やドラックストアに買いに行く手間もなくて便利ですよね!
ただし、1週間ほど使用しても改善しない場合は、塗るのを中止して皮膚科を受診するようにしましょう。