こんにちは。
現役ママ薬剤師の安美です。
足にできやすい水虫。
その治療には、一般的に塗り薬の水虫治療薬が使われます。
水虫治療薬にはいろいろな種類がありますが、今回は、よく使われるルリコンとラミシールの違いについてお話しします。
水虫治療薬のルリコンとラミシールの使い分けと違いを解説!
水虫の原因は白癬菌といわれる真菌です。
ルリコンもラミシールもこの白癬菌に対して殺菌作用を持った抗真菌薬という点では同じです。
また、1日1回塗るだけよいという使い方も同じです。
ルリコンとラミシールの違い比較一覧表
処方薬 (医療用) |
剤型 | 成分 系統 |
後発医薬品 (ジェネリック) |
市販薬 (一般用) |
ルリコン | 軟膏 クリーム 液 |
ルリコナゾール イミダゾール系 |
なし | なし |
ラミシール* | クリーム 液 スプレー |
テルビナフィン アリルアミン系 |
ラノコナゾール | ラミシール** メンソレータムエクシブ ネクスト24など |
*ラミシールには飲み薬(内服薬:ラミシール錠)もあります。
**市販薬のラミシールについてはこちらで詳しく解説しています。
ラミシールクリームの市販薬、ラミシールDXやプラスと処方薬の違い
抗真菌薬には、いくつかの系統(種類のようなもの)があります。
ルリコンとラミシールは系統が違う水虫治療薬です。
なので、ルリコンクリームが効かない時はラミシールクリームを試してみるとか、その逆の使い方もされることがあります。
剤型(軟膏・クリーム・液・スプレー)による使い分け
ルリコンにはあって、ラミシールにはない剤型が「軟膏」です。
軟膏タイプの水虫の塗り薬は、じゅくじゅくしていたり、しみる場合によいです。
ラミシールにあって、ルリコンにはない剤型が「スプレー」です。
スプレータイプの水虫治療薬は、水虫の患部や薬に直接触れずに塗ることができます。
水虫の塗り薬といえば、吸収がよいクリームタイプが使われることが多いです。
ルリコンにもラミシールにもクリームがありますが、
クリームだと刺激になって水虫の患部にしみる場合はルリコン軟膏、
スプレータイプを使いたいからラミシールスプレーというように使い分けることもあります。
ルリコンクリームとラミシールクリームのどれを選べばいい?
病院で処方される医療用の水虫の塗り薬では、ルリコンクリーム(ルリコナゾール)が一番おすすめだと個人的には考えます。
効果にはあまり差がないという意見もありますが、これまで勤めた薬局ではルリコンとアスタット(ルリコンと同じ系統の水虫治療薬)のどちらかをファーストチョイスで使うことが多い印象です。
ルリコナゾールが高い抗真菌活性を有しているだけではなく、他の薬剤より高い皮膚貯留性があるためです。実際白癬に対して、現在最も汎用されているテルビナフィンより、角層への薬剤貯留性が高いことが示されています。
スズケンDIアワー皮膚真菌症治療薬ルリコナゾール 渡辺 晋一 より引用
つまり、ルリコナゾール(ルリコンクリーム)は、テルビナフィン(ラミシールクリーム)と同じくらいかそれ以上の水虫への効果が期待できるというわけです。
でも残念なことに、水虫薬ルリコンクリームには市販品やジェネリックはある?で解説しているように、ルリコンクリームはジェネリック医薬品(後発医薬品)もありませんし、市販薬でも販売されていません。
市販薬で水虫を治療したいという場合には、ルリコンクリームを選ぶことができません。
水虫の市販薬(塗り薬)や効果的な使い方については、水虫でよく効く市販薬は?薬剤師が選ぶおすすめ3選と使用上の注意点に詳しく書いていますので、ぜひお読みください!
病院を受診する場合は、医師が知識や経験をもとに処方を決めるので、患者さんがルリコンかラミシールかを選ぶことはできないことがほとんどだと思います。
ですが、知識として知っているのと知らないのとでは違うと思います。
水虫薬を塗った後に靴下を履いた方がよいか悩む方は、水虫の塗り薬ルリコンクリームを塗った後に靴下を履いた方がいい?を参考にしてくださいね。
さいごに:水虫治療薬ルリコンとラミシールの使い分けを違いから考える
というわけで、
この記事では、水虫治療薬としてよく使われるルリコンとラミシールの違いについてお話してきました。
ルリコンとラミシールは抗真菌薬ですが、系統が違います。
また、剤型にも違いがあります。
一人一人の水虫の症状に対して、効き方や剤型を考慮してルリコンとラミシールは使い分けされています。
ルリコンクリームには市販薬がないので、市販薬で水虫治療をしたい場合はルリコンクリームを選ぶことができません。