こんにちは。
現役ママ薬剤師の安美です。
水虫やいんきんたむし(白癬)、皮膚カンジタ症の治療薬のラミシールクリーム。
ラミシールクリームは市販されており、薬局やドラックストアで買うことができます。
ただ、市販のラミシールクリームには、いくつか種類があります。
今回は、水虫やいんきんたむしに効果効能がある市販のラミシールクリームの違いを一覧表にして処方薬と比較しながらお話します。
購入する時の参考にしてくださいね!
ラミシールDX、ラミシールプラス、ラミシールATの違いを比較!
ラミシールクリームの市販薬にはいくつか種類があります。
わかりやすく一覧表にまとめました。
ラミシールクリームの市販薬の違い比較一覧表
どれも1日1回の塗布です。
商品名 | 有効成分 | 効果効能 | 他の剤型 |
ラミシールATクリーム | テルビナフィン* | いんきんたむし ぜにたむし みずむし |
ラミシールAT液 |
ラミシールDXクリーム | テルビナフィン* クロタミトン グリチルレチン酸 l-メントール 尿素 |
なし | |
ラミシールプラスクリーム | ラミシールプラス液 |
*白癬菌に効く成分テルビナフィンの濃度はどれも処方薬のラミシールと同じ1%です。
ラミシールDXクリームとラミシールプラスクリームの違いとは?
一覧表を見ての通り、ラミシールDXクリームとラミシールプラスクリームは成分的に違いはなく、成分濃度も含めて全く同じものです。
・ラミシールDXクリーム
・ラミシールプラスクリーム
ただ、メーカーの製品サイトをみると、
ラミシールDXクリームはいんきんたむし・ぜにたむし治療薬、
ラミシールプラスクリームは水虫治療薬、
というイメージを前面に押し出しているようです。
確かにパッケージも、ラミシールDXは股間=いんきんたむしをイメージさせますね。
ラミシールプラスに液体タイプがあって、ラミシールDXに液体タイプがないのも、足の指の間などの水虫への対応を考えているのかもしれません。
でも、水虫もいんきんたむしも白癬菌という真菌(カビ)によって起きる皮膚病。
ラミシールDXもラミシールプラスもどちらの効能効果にも、水虫もいんきんたむしがあり、効果は変わりありません。
水虫だからラミシールプラスクリームを使わないといけない
というわけじゃなく、どちらを使っても問題ありません。
処方薬のラミシールクリームと全く同じ市販薬はラミシールATクリーム
病院で処方されるラミシールクリームには、ラミシールDXやラミシールATのようなかゆみを和らげる成分は入っていません。
ラミシールDX、ラミシールATには、かゆみや炎症を和らげる成分(クロタミトン、グリチルレチン酸、メントール)、角質を柔らかくする成分(尿素)が配合されています。
処方薬(医療用)のラミシールクリームと全く同じ市販薬はラミシールATクリームです。
・ラミシールATクリーム
白癬菌に効く殺真菌成分テルビナフィンの濃度は処方薬のラミシールと同じ1%です。
皮膚が弱い方には、かぶれを引き起こす可能性があるため、余計なものが配合されていないラミシールATクリームをおすすめします。
ラミシールとはどんな薬?
水虫、つまり白癬は、皮膚糸状菌という真菌(カビ)によって生ずる感染症です。
ケラチンをエサに生きているので、角質が多いところ(かかとなど)や角質が変化した爪や毛などケラチンが多いところであればどこにでも感染します。
足白癬=水虫、股にできるのは股部白癬=いんきんたむしとも言われます。
ラミシールは真菌(カビ)の細胞膜成分の生合成に必要な酵素を阻害して真菌の増殖を抑えます。
特に白癬菌に対して強力な殺真菌作用を示すといわれています。
ラミシールには飲み薬、錠剤もある?
市販薬のラミシールでは塗り薬しかありませんが、医療用(病院処方)では、ラミシールは塗り薬と飲み薬があります。
塗り薬では治りにくい爪の水虫(爪白癬)の場合、ラミシールの飲み薬、ラミシール錠が使われることが多いです。
1日1回1錠の服用を3カ月から6カ月続けます。
副作用としては、肝機能障害に注意が必要です。
また、妊娠中や授乳中の女性は飲むことができません。
ラミシールにはジェネリックがある?
処方薬(医療用)のラミシール錠にも、ラミシールクリーム、ラミシール液にもジェネリック医薬品があります。
先発医薬品 | ジェネリック医薬品(後発医薬品) |
ラミシール錠125㎎ | テルビナフィン錠125㎎ |
ラミシールクリーム1% | テルビナフィン塩酸塩クリーム1% |
ラミシール外用液1% | テルビナフィン塩酸塩外用液1% |
ただし、ラミシール外用スプレーにはジェネリックはありません。
ラミシールクリームの塗り方のコツ
ラミシールクリームの塗り方にはコツがあります。
1日1回塗るだけでよいので、からだをきれいに洗って清潔なお風呂上りが塗るタイミングとしてはおすすめです。
入浴後の皮膚はやわらかくなっているため、成分も浸透しやすくなっています。
そして、水虫やいんきんたむしの症状が出ているところより広めに塗るようにしましょう。
指全体、足の裏全体という感じですね。
最後に、根気よく塗り続けることが大切です。
ラミシールクリームを使い始めてしばらくすると、見た目がすっかり治ったように感じると思います。それから最低1か月はプラスして塗り続けるようにしましょう。
ラミシールクリームと同じ成分を含む他の市販薬:メンソレータム エクシブWディープ10クリーム
「ラミシール」という名前はついていないものの、ラミシールクリームと同じ有効成分、テルビナフィン塩酸塩の市販薬は他にもあります。
・メンソレータム エクシブWディープ10クリーム
真菌に働くテルビナフィン塩酸塩以外に、かゆみを抑える成分も入っているので、ラミシールプラスクリームやDXクリームに近い感じですね。
皮膚を柔らかくする尿素が10%と多く配合されているので、メンソレータム エクシブWディープ10クリームはカサつくかかとの水虫におすすめです。
(ラミシールプラスクリームの尿素は5%)
amazonでは35gで約1500円(ラミシールDXクリームは10gで約1100円)なので、ラミシールプラスクリームやDXクリームより割安でお得感あります^^
ネットで買うと薬局やドラックストアに買いに行く手間も省けるのがうれしいですね。
水虫の市販薬(塗り薬)については、水虫によく効く市販薬は?薬剤師が選ぶおすすめ3選と使用上の注意点でも詳しく解説しています!
まとめ:ラミシールDXとプラスの違いは?ラミシールクリームの市販薬を解説
というわけで、水虫やいんきんたむしに効果効能があるラミシールクリームの違いについて、市販薬と処方薬と比較しながらお話してきました。
処方薬(医療用)のラミシールクリームの有効成分と濃度は、市販薬のラミシールクリームと同じです。
かゆみを抑える成分が配合されていないラミシールATクリームが医療用のラミシールクリームと全く同じ製品です。
ラミシールクリームの市販薬2週間ほど使用しても症状が改善しない、悪化する場合は、すぐに皮膚科を受診するようにしましょう。