こんにちは。
現役ママ薬剤師の安美です。
「以前、病院でもらった塗り薬が家に余っています。
使用期限切れでしょうか?
それとも、使ってもいいですか?」
勤務先の薬局で患者さんから聞かれることがよくあります。
使いきれずに余ってしまう塗り薬・・・よくありますよね^^;
今回は、塗り薬の使用期限切れについて、開封後の期限もあわせて詳しくお話していきたいと思います!
余った塗り薬を使うリスク、特にステロイド軟膏は注意!
塗り薬って、塗るだけだし、気軽に使いませんか?
でも、塗り薬といっても、種類はいろいろ。
ステロイド軟膏もあれば、水虫やカンジタなどの塗り薬、保湿剤もあります。
特に、病院で処方された塗り薬は、その時の症状にあわせたものです。
なので、
余った塗り薬を他の人に使ったり、
自分の別の症状につかっても、効果がでなかったり。
逆に、症状が悪くなることもあります。
例えば、余った塗り薬がステロイド軟膏だった場合、
そのステロイド軟膏の強さのランクどれくらいなのか、
どこに塗るのか、
湿疹やかゆみといった今の症状はどうなのか、
こうことがわからないと、 正しく判断できないですね。
本来、体に塗る<より強い>ランクのものを
顔に塗ってしまっては、副作用が問題になります。
反対に、
本来、顔に使う<穏やか>ランクのものを
からだに塗っても、効きめがなかったら意味がないですよね。
ステロイドの塗り薬には強さのランクがあります。
ステロイド軟膏の市販薬の強さランク別の一覧、医療用と比較してみた!
<ステロイドの塗り薬>なら、どれでも同じように感じるかもしれませんが、自己判断で使うのはやめましょう。
お医者さんや薬剤師さんに、
いつもらった、なんという薬かをお話して確認してもらってくださいね。
余ったステロイド軟膏を使う場合は、
・薬の名前がわかる
・どんな症状の時にどこに塗ったかがわかり、同じ症状、場所に塗る
この二つが最低限必要ですね。
最近は、ドラックストアの塗り薬にもステロイド成分が入っていることが多いです。
配合成分(なにが入っているか)に、
プレドニゾロン、吉草酸エステル、酢酸エステルとか書いてあったら、
それには、ステロイドが入っているということです。
ドラックストアなどで自分で購入するときは、しっかり確認することも大切です。

ステロイド軟膏の塗り方については、【薬剤師解説】ステロイド軟膏の効果的な塗り方3つのポイントで詳しくお話しています。参考にしてくださいね!
塗り薬の使用期限
塗り薬の使用期限って知っていますか?
チューブに入った塗り薬の場合、
正確な使用期限は、キャップ(ふた)と反対側に刻印されていることが多いです。
未開封でも、この日を過ぎれば、使用期限切れというわけです。
でも、これは<開封する前の期限>です。
塗り薬を開封して使い始めると、温度や湿度、指で直接さわることでの汚染などで、品質に影響がでてきます。
使い始めてから半年以内が、塗り薬の使用期限の目安になります。
病院で処方された場合、2種類以上が混ざって容器に入っている塗り薬のこともありますよね。
↑こんな風に容器に入った塗り薬。
その場合、ほぼ4週間までは、効果に影響しないことがわかっている組み合わせです。
ですが、その後のデータがないこともあります。
容器に入った塗り薬の場合、未使用でも、4週間を過ぎたら、使用期限切れというわけですね。
なので、
容器に入った塗り薬の場合は、治療が終わったら余っていても捨てるか、1か月を使用の目安にするとよいと思います。

いつもらったかわからない、数年前の塗り薬は、もったいないと大事にせずに、思い切って断捨離しましょう!!
さいごに:塗り薬に使用期限切れはある?ステロイド軟膏の開封後の期限は?
というわけで、塗り薬の使用期限切れについて、ステロイド軟膏の開封後の期限を中心にお話してきました。
「余っているステロイド軟膏が家にあるので使ってもいいですか?」
薬剤師としての私の答え。
・薬の名前がわかる
・どんな症状の時にどこに塗ったかがわかり、同じ症状、場所に塗る
・使用期限内である
この3つが揃っていれば、応急処置として使用してもよいかと思います。
そして、なかなか治らない、悪化する場合は、迷わずに皮膚科を受診するようにしましょう!