花粉症やアレルギー性鼻炎の治療に使われる「タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)」。
この記事では、病院で処方される医療用医薬品のタリオンと市販のタリオンARの違いについて、薬剤師が詳しく解説します。

市販のタリオンARは、処方薬のタリオンと同じ成分ですが、いくつか注意すべき違いがあります。わかりやすく解説しますね!
花粉症の季節、病院に行く時間がない…そんなあなたに朗報!
「毎年のように病院で花粉症の薬をもらっているけど、待ち時間が長くて面倒…」
そんな経験はありませんか?
そんな方に朗報です!
これまで病院でしか買えなかったタリオンが、市販薬として購入できるようになりました。
花粉症の薬タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)は、なんの薬?
タリオン(一般名:ベポタスチンベシル酸塩)は、第2世代抗ヒスタミン薬です。
アレルギー症状の原因となる、体内のヒスタミンなどの生成や働きを抑え、花粉症やアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状を和らげます。
また、処方薬のタリオンは、じんましんや皮膚のかゆみにも処方されます。
処方薬のタリオンには、タリオン錠5、10㎎とタリオンOD錠5、10㎎があります。
タリオン(ベポタスチン)の特徴
✅即効性が期待できる
服用後、1時間ほどで効果発現
✅ 眠くなりにくい
個人差があるため、運転は注意が必要
タリオン添付文書に「服用中は乗物または機械類の運転操作をしないでください」と記載あり
✅ 1回1錠、1日2回の服用で24時間効果が持続
✅ 食前・食後どちらでも服用OK
(薬の吸収は食事の影響をうけない)
タリオン(ベポタスチン)はステロイド入ってる?
タリオンは鼻水や鼻づまりなどを抑える抗アレルギー作用をもつ単一成分からなり、ステロイドは入っていません。
炎症を抑えるステロイドとは効き方が異なる薬です。
- 添付文書には以下の記載がありますが、あくまでも「長期ステロイド療法を受けている患者」に対する注意事項です。
本剤投与によりステロイドの減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
タリオン(ベポタスチン)はいつから市販されたの?どこで買える?
タリオンは病院でしか処方されていませんでしたが
2020年12月に田辺三菱製薬より市販薬「タリオンAR」が販売開始されました。
さらに、2024年12月よりタリオンARは第2類医薬品となりました!
ロキソニンやクラリチンのような第1類医薬品よりも販売条件が厳しくなくなり、気軽に購入できるようになったんです。
(薬剤師の説明なしで購入OK!)
タリオンARは、薬剤師もしくは登録販売者が常駐しているドラックストアや薬局、ネット通販で購入可能です!

これで「病院に行く時間がない人」も手軽に購入できるようになりました!
市販薬「タリオンAR」と処方薬「タリオン」の3つの大きな違い
市販薬のタリオンARと処方薬のタリオンは、もちろん同じ成分、ベポタスチンベシル酸塩です。
ですが、市販薬と処方薬で、効能・効果および使用可能な年齢に大きな違いがあります。
処方薬は幅広いアレルギー症状に対応し、7歳以上の小児にも使用可能ですが、市販薬はアレルギー性鼻炎の症状緩和に特化しており、15歳以上が対象となっています。
タリオンの市販薬と処方薬の違い1:効能・効果
市販薬のタリオンARは、花粉やハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状にのみ効能が認められています。
なので、じんましんや皮膚のかゆみなどに市販のタリオンを使うのはNGです。
市販薬(タリオンAR) | 処方薬(タリオン) | |
効能効果 | 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和: くしゃみ 鼻みず 鼻づまり |
・アレルギー性鼻炎 ・蕁麻疹 ・皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症) |
タリオンの市販薬と処方薬の違い2:対象年齢
市販薬のタリオンARは、15歳未満の小児は服用できません。
市販薬(タリオンAR) | 処方薬(タリオン) | |
対象年齢 | 15歳以上 | 7歳以上 |
タリオンの市販薬と処方薬の違い3:購入方法
処方薬は、病院を受診して医師から処方箋が必要です。
タリオンの市販薬は、薬局やドラックストア、ネット通販などで購入することができます。
タリオン(ベポタスチン)は処方薬と市販薬、どっちを選ぶべき?
「結局、どっちがいいの?」 という疑問を持つ方のために、それぞれの特徴をまとめました!
市販薬のタリオンARを選ぶといい人
✔ すでに花粉症やアレルギー性鼻炎の症状がある
✔ 病院に行く時間がない、すぐに薬が欲しい
✔ 眠くなりにくい花粉症薬を探している
✔ ネット通販やドラッグストアで購入したい
❌ただし、以下の症状には使えません!
・蕁麻疹や皮膚のかゆみには使えない
・15歳未満の子どもには使用不可
(処方薬なら7歳からOK)
病院で処方されるタリオンを選ぶとよい人
✔ 蕁麻疹や湿疹など、皮膚のかゆみを伴うアレルギー症状がある
✔ 花粉症の症状が重く、市販薬では効果が足りない
✔ 15歳未満の子どもに使いたい
(処方薬なら7歳からOK)
✔ 他の薬との飲み合わせや、副作用の心配がある
(医師に相談できる)

「まずは、花粉症に試してみたい」という方は、市販のタリオンARを購入して様子を見てもいいですね。
症状が改善しない場合は、病院を受診して医師に相談しましょう!
さいごに:花粉症薬タリオン(ベポタスチン)が市販化!処方薬との違いを徹底解説
この記事では、花粉症の薬としても使われる抗アレルギー薬タリオン(ベポタスチン)の市販薬タリオンARについて、処方薬と違いを比較しながら薬剤師が解説してきました。
✅ タリオンが市販薬「タリオンAR」として販売開始
⇒花粉症対策の選択肢のひとつにおすすめ
✅ 成分や成分量は処方薬と同じだが、効能・効果や年齢制限に違いあり。
⇒市販薬は15歳以上のみ対象、蕁麻疹や皮膚疾患には使えない
✅ ネットやドラッグストアで手軽に買える
⇒病院を受診せずに購入可能!
タリオンARの登場で、花粉症やアレルギーの薬の選択肢が増えました。
「病院に行く時間がない」
「症状が軽めで手軽に薬を買いたい」
という方には、市販のタリオンARがおすすめです。
ネット通販だと玄関まで届けてくれるのでラクチンですね!
子ども(15歳未満)の使用や蕁麻疹・皮膚疾患への適応はないため、気をつけてくださいね!
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