「もう6月、7月になのに、花粉症のように鼻水や鼻づまり、目のかゆみが続く」
春が過ぎても続くその症状は、
夏の花粉症=イネ科植物によるアレルギー症状の可能性が大なんです!
一般的に、花粉症=春と思われがちですが、実は、季節ごとに違う花粉が飛んでいて、夏も油断は禁物。
とくに、6月〜7月は、イネ科植物の花粉がピークになる時期。
気づかないうちに花粉のせいでアレルギー症状が出ているケースも多いんですよ。
この記事では、イネ科アレルギー症状の特徴やそのケアに役立つ市販薬について、薬剤師がわかりやすく解説します。

たくさんある市販の目薬から、アレルギーによる目のかゆみにおすすめの市販薬も薬剤師視点で教えます。参考にしてくださいね!
6月・7月のひどい目のかゆみはイネ科アレルギーが原因かも
春が終わったのに花粉症の症状が続く理由
春の花粉症シーズン(スギ・ヒノキ)が終わったはずなのに、「目がかゆい」「鼻がムズムズする」などの症状が続いていませんか?
その原因は、夏に飛散する別の花粉、つまりイネ科植物の花粉かもしれません。
花粉症=春と思いがちですが、実は、花粉症は一年中起こりうるアレルギー症状。
なかでも、6月・7月に症状がでるのが、イネ科の植物によるアレルギー。
公園や河川敷、学校のグラウンド、道ばたなどに多く、知らないうちに近づいてしまっていることも多いです。
イネ科アレルギーの原因植物と飛散時期
イネ科植物は、日本のあちらこちらで広く見られる雑草です。
代表的なアレルゲン(アレルギーを起こす原因植物)としては、以下のような種類があります。
✅カモガヤ(オーチャードグラス)
✅ハルガヤ
✅オオアワガエリ
これらの植物は、5月から7月にかけて多くの花粉を飛ばします。
春の花粉が落ち着いたころに飛散が始まるので、
「春が終わったのに花粉症?」と感じやすいというわけです。
スギ花粉と違って飛散距離は短めですが、近くに生えていると強い影響を受けやすいのが特徴です。
イネ科アレルギーの症状とは?スギ花粉との違い
イネ科アレルギーは目のかゆみが強め
イネ科花粉によるアレルギー症状は、スギ花粉と似ている部分もありますが、とくに、目のかゆみや涙目など「目の症状」が強く出る傾向があります。
■イネ科アレルギーの症状
✔くしゃみ
✔鼻水(透明でさらさら)
✔鼻づまり
✔目のかゆみ、涙目、充血
✔喉のイガイガ感
イネ科アレルギーは秋まで続く可能性も
イネ科の花粉の飛散時期は、5月から7月がピークですが、秋咲きもあるので秋にも飛散しています。なかには10月ごろまで症状が続くケースも・・・。
「毎年、夏〜秋にかけて目のかゆみや鼻水が出る」
という方は、スギやヒノキではなく、イネ科植物による花粉が原因の可能性が高いです。
そんな困ったイネ科アレルギー症状に役立つ市販薬をご紹介します!

休日や夜間で病院がお休みのとき、忙しい方や混雑を避けたいときなど、便利な市販薬の活用がおすすめですよ。
目がかゆい時におすすめ!市販で買える目薬の選び方
目の症状が強くでるイネ科アレルギー。
目のかゆみだけならば、
目のアレルギー症状の緩和に効く市販の点眼薬が役立ちます。
ドラックストアやネットで買える目薬にも、処方薬と同じ成分・同量を含んだものが増えてきているんですよ。
ただ、たくさんの種類の市販の目薬があるので、
「どれを選べばいいの?」
「症状によって違うの?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、医療用と同じ成分・同量を含む市販の目薬を中心にご紹介します。
薬剤師である私が考える、目のかゆみに効く市販の目薬を選ぶポイントは以下の3つです。
・血管収縮剤(テトラヒドロゾリン、ナファゾリン)なしであること
使いすぎNGなので、目の充血がない時は選ばない
・清涼剤(メントール)が入った目薬は刺激になることもあるので、すーっとした清涼感がなくていいときには選ばない
これを踏まえて、私がおすすめする市販の目薬をご紹介します!
アルガードクリニカルショットマイルド:トラニラスト+クロルフェニラミン
他に、炎症を抑えるプラノプロフェンとタウリンを含む
処方薬のリザベン点眼液と同成分・同量を含む
🌟即効性成分+予防にも効果がある成分+炎症を抑える成分が入っており、
アレルギー症状の目のかゆみには、市販薬で一番のおすすめです。

「従来の一般用アレルギー用点眼剤を2日間位使用し、十分な効果が得られなかった方におすすめします」と記載されているほど!
また、抗ヒスタミン薬とケミカルメディエーター遊離抑制薬は、併用で相乗効果が期待できるとされています。
注意点として、7才未満のお子さん、授乳中や妊娠中は使えません。
すーっとする清涼感がほしい方は、ロートアルガードクリニカルショットを選ぶとよいです。
アルガードクリアマイルドZ:クロモグリク酸Na+クロルフェニラミン
他に、炎症を抑えるプラノプロフェンと目の粘膜を潤すコンドロイチンを含む
🌟即効性成分+予防にも効果がある成分+炎症を抑える成分
ただ、予防目的の成分が少し古いタイプになります。
なので、個人的にはアルガードクリニカルショットマイルドの方がおすすめです。
この組み合わせの目薬は、AGアレルカットなど他にもあります。

ロートアルガード目薬は、他にもいろいろな種類があります。
アルガード目薬の違い比較の一覧、薬剤師が教える花粉症の市販薬の記事で一覧表でわかりやすく解説していますので、ぜひお読みください!
アイリスAGガード :ケトチフェン
他に、おだやかに炎症を和らげるグリチルリチン酸二カリウムとタウリンを含む
処方薬のザジテン点眼液と同成分・同量を含む。
清涼感あり
🌟抗ヒスタミン成分がメインのシンプルな処方。
1歳以上のお子さんは使用可能です。

アイリスAGコンタクトは、名前は似ていますが成分が違うので注意してください。
🟡アレジフェンス:アシタザノラスト水和物
処方薬のゼペリン点眼液と同成分・同量を含む
🌟予防目的成分のみのシンプルな処方。
目のかゆみに対する即効性はいまひとつですが、予防目的で使うならおすすめです。
7歳未満のお子さんは使えません。
なお、市販のアレルギーの目薬に配合されている成分と特徴を以下の表にまとめましたので、参考にしてくださいね。
効果 | 成分名 | 分類 | 特徴 |
アレルギー 症状を抑える |
クロルフェニラミン ケトチフェン |
抗ヒスタミン薬*1 | 即効性がある |
クロモグリク酸Na アシタザノラスト トラニラスト |
ケミカルメディエーター 遊離抑制薬*2 |
即効性はない アレルギーの原因に作用 予防にも使える |
|
炎症を抑える | プラノプロフェン | 抗炎症薬 | ステロイドより即効性ないが ほぼ同じ効果がある |
目の保護 | コンドロイチン | 角膜表層保護薬 | 水分を保持して角膜を保護 |
*1:ヒスタミンが神経や血管に作用するのを防ぐ
*2:ヒスタミンなどが放出されるのを防ぐ

炎症を抑えるステロイド成分が入った目薬は、処方薬のみで市販されていません。
内服薬なら眠くなりにくい市販薬がオススメ(抗ヒスタミン成分)
イネ科アレルギーの症状が「目」だけでなく「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」など全体に出ている場合は、全身に効果がある抗ヒスタミン成分の飲み薬を選びましょう。
市販薬のなかには、眠気や口の渇きなどがでやすい薬もあるので、
以下のような眠気の少ない第2世代抗ヒスタミン薬を選ぶのがおすすめです。
・アレグラFX(フェキソフェナジン)
・クラリチンEX(ロラタジン)
・アレジオン(エピナスチン)
いずれも処方薬と同じ成分を同量含む市販薬です。
「どの薬が眠くなりにくいの?」
「即効性があるのは?」
「子どもでも使える薬は?」
そんな疑問にお答えするために、こちらの記事で詳しく解説しています。
【市販薬の薬剤師解説】アレルギー性鼻炎・花粉症の薬の種類と選び方

薬剤師視点で、タイプ別にわかりやすくまとめていますのでぜひご覧ください!
市販の花粉症の目薬でよくあるQ&A
Q1:授乳中でも使える市販の目のかゆみに効く目薬は?
医師の指導のもとで使う処方薬とは違い、市販薬の場合は、自己責任で使うため、より安全性を重視します。
必ず、添付文書に「授乳中に使用しないでください」と書いていない市販の目薬を使いましょう。
トラニラストとプラノプロフェンが使われている目薬は、授乳中はNGです。

授乳中に使える花粉症の市販の目薬は?禁忌についても詳細解説の記事で詳しく説明しています。
授乳中でも使える市販の目薬のなかでおすすめなのが、ロートアルガード コンタクトaです。
かゆみを抑える成分と角膜保護成分だけというシンプルな処方で
コンタクトレンズ装用中にも使用できるのもうれしいポイントです。
Q2:コンタクトしたまま使っても大丈夫?
一般的な目薬には、防腐剤が使われています。
そのため、コンタクトレンズをつけたまま目薬を使わないようにとなっています。
ロートアルガード コンタクトaのように、防腐剤フリーの目薬を選ぶようにしましょう。

他にも市販薬はあるので、花粉症の目薬でコンタクトしたまま使える市販薬を現役薬剤師が解説!の記事を参考にしてくださいね。
目薬ではありませんが、携帯できる目の洗浄液も便利です。
ウェルウォッシュアイは、参天製薬が製造。
防腐剤は無添加で、もちろんコンタクトレンズしたままでも使うことができます。
涙に近い性質でしみないさし心地もうれしいポイントですね!
イネ科アレルギーにおすすめ!市販の目薬で目のかゆみ対策・夏の花粉症
春が過ぎたのに目のかゆみや鼻水が続くその症状は、夏の花粉症=イネ科アレルギーかもしれません。
イネ科アレルギーによる目のかゆみには、市販薬でも効果的に対策可能です。
この記事では、市販で買える目薬の選び方を薬剤師がわかりやすく解説しました。
市販薬の目薬で私が一番おすすめするのは、目のかゆみへの即効性と予防が期待できるアルガードクリニカルショットマイルドです。
「薬局でなんとなく選ぶ」のではなく、成分と症状に合わせて選ぶと、快適度がグッと変わります。
自分に合う目薬を見つけて、花粉症シーズンも快適に過ごしていきましょう!
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