こんにちは! 現役ママ薬剤師の安美です。
湿疹やかゆみで皮膚科で処方される機会が多いステロイド軟膏。
その中でもよく使われるステロイドが、リンデロンやスチブロン(先発品;マイザー)軟膏です。
スチブロン軟膏とリンデロンの違いを教えて!
そこで今回は、ステロイド軟膏のリンデロンとスチブロンの違いについてお話しします。
違い1:スチブロン軟膏はジェネリック医薬品、リンデロンは先発品
スチブロン軟膏は、後発医薬品(ジェネリック、ジフルプレドナート軟膏)です。
(先発医薬品はマイザー軟膏)
スチブロン軟膏については、スチブロン軟膏は顔に塗る事ができる強さのステロイド?市販薬あり?で詳しく解説しています。
リンデロン軟膏は、先発品です。
医療用(病院で処方される)リンデロン軟膏には、「DP」「V」「VG」「A」と4種類ありますが全てジェネリックではありません。
リンデロンV軟膏の場合、ジェネリックはベタメタゾン吉草酸エステル0.12%軟膏やデルモゾール軟膏になります。
違い2:スチブロンとリンデロンはステロイドの強さランクが違う
スチブロン軟膏は、とても強い(Very Strong)の強さのステロイドです。
リンデロンの中では、リンデロンDP軟膏と同じ強さになりますが、よく使われるリンデロンVG軟膏は強い(Strong)なので、ステロイドの強さランクが違います。
【スチブロン軟膏と医療用のリンデロン軟膏の種類と強さランク一覧】
強さのランク | 商品名(医療用、処方薬) | 推奨される使用部位 |
とても強い Very strong |
スチブロン軟膏 | 手足や体 (皮膚の厚い部分) |
リンデロンDP軟膏 | ||
強い Strong |
リンデロンV軟膏 (ベトネベート軟膏) |
手足や体 (皮膚が薄い部分OK) |
リンデロンVG軟膏 (ベトネベートN軟膏) |
手足や体 (皮膚が薄い部分OK) |
|
弱い Weak |
眼耳科用 リンデロンA軟膏* |
顔、まぶた、耳 使用可能 |
*眼耳科用リンデロンA軟膏のステロイド成分は、正式には、ステロイドの強さランク分けされていませんが、弱い(Weak)に相当します。
**眼耳科用リンデロンA軟膏以外は、軟膏だけでなく、リンデロンクリームも同じ種類あります。
違い3:市販薬にスチブロン軟膏はないが、リンデロンVs軟膏は市販されている!
スチブロン軟膏(先発医薬品:マイザー軟膏)は市販されていません。
スチブロン軟膏と同じ強さランク(とても強い;Very Strong)のリンデロンDP軟膏の市販薬もありません。
また、リンデロンA軟膏の市販薬もありません。
リンデロンV軟膏とリンデロンVG軟膏は市販薬で代用することができます。
リンデロンV軟膏の市販薬=リンデロンVs軟膏
リンデロンV軟膏は強い(Strong)で市販のステロイド塗り薬の中で最も強いランクになります。
リンデロンVG軟膏の市販薬(代用薬)=ベトネベートN軟膏AS
リンデロンVG軟膏には、リンデロンVのステロイド成分に加えて、抗生物質のゲンタマイシンが配合されています。
この配合されている抗生物質は違います(ベトネベートの場合はフラジオマイシン)が、ステロイド成分は同じです。
なので、リンデロンVGの代用としてほぼ同じように使用することができます。
さいごに:ステロイド軟膏のスチブロンとリンデロンの違いを現役薬剤師が解説!
というわけで、この記事ではステロイド軟膏のリンデロンとスチブロンの違いについてお話ししてきました。
・スチブロン軟膏はマイザー軟膏のジェネリック医薬品、リンデロンは先発品。
・スチブロン軟膏と同じステロイドの強さはリンデロンDP軟膏。
リンデロンVやリンデロン軟膏は、スチブロンよりワンランク低い強さランク。
・スチブロン軟膏は市販されていないが、リンデロンV軟膏やリンデロンVG軟膏は市販薬で代用できる。
スチブロンとリンデロンにはこのような違いがあります。