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不眠に悩む更年期女性へ漢方薬の酸棗仁湯が合うタイプを薬剤師が解説

更年期
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「最近、寝つきが悪い」
「疲れているのに、いざ布団に入ると目がさえてしまう」

更年期になると、こうした不眠の悩みが多くなります。

不眠に対しては、睡眠薬という選択肢もありますが、
自然由来の治療薬として、漢方薬という選択肢も注目されています。

この記事では、
不眠に使われる代表的な漢方薬のひとつ「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」について、
薬剤師の視点でわかりやすく解説します。

 

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更年期と不眠の関係「疲れているのに眠れない」理由

更年期の不眠は、単に「年齢のせい」だけではありません。

更年期になると、女性ホルモンの低下により自律神経のバランスが乱れやすくなり、

「体はクタクタなのに、頭は休まらない」
「寝たいのに、かえって目が冴えてしまう」

という状態が起こりやすくなってしまうのです。

なぜ「疲れているのに眠れない」のか

疲労やストレスが続くと、脳や神経は軽い興奮状態になりやすくなります。

その結果、
・夜になっても覚醒から切り替わらない
・「早く眠らなきゃ」という意識がさらに緊張を強める
という悪循環に…。

 

漢方では「疲れて眠れない不眠」をどう考える?

漢方ではこのような「疲れすぎて眠れない」状態をどう考えると思いますか?

漢方的には、眠れない、不眠の状態を一律には扱いません。

「どんな状態で眠れないのか」ということをとても大切にします。

不眠を「眠れない」という結果だけで判断するのではなく、
体の中で何が消耗しているのか、どこがうまく働いていないのかを重視するというわけです。

「体は疲れているのに、神経が休まらない」状態では、
体を休ませ、心を落ち着かせるための働きがうまく発揮できなくなっています。

漢方的には、
心を鎮めて体を回復させるための働きを担う「肝血(かんけつ)」が不足した状態と考えます。

肝血は、日中に使った神経や体を、夜の間に回復させるため必要なものです。

薬剤師:安美
薬剤師:安美

ここでいう「肝血」は、実際の血液そのものではなく、心や神経、体を休ませるための漢方的な考え方です。

ところが、
疲労やストレスが長く続くと、
この肝血が消耗し、十分に働けなくなってしまいます。

すると、
「疲れているのに眠れない」
「横になっても気持ちが切り替わらない」
といった不眠が起こりやすくなります。

こうした肝血が消耗して回復する力が追いついていないタイプの不眠に対して、土台を整える目的で使われる代表的な漢方薬が、酸棗仁湯(さんそうにんとう)です。

 

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漢方薬の酸棗仁湯が不眠に使われる理由

酸棗仁湯が使われる不眠タイプ

酸棗仁湯は、心身が疲れすぎて眠れない消耗しているタイプの不眠によく使われる漢方薬です。

とくに、
・寝つきが悪い(入眠障害)
・眠りが浅い
といったタイプで使われることが多く、高齢の方や更年期世代にも処方されます。

■こんな症状はありませんか?

✔️体は疲れているのに寝つけない
✔️眠りが浅く、夢をよく見る
✔️夜中に何度も目が覚める
✔️日中も疲れやすい
✔️神経が過敏になっている感じがする

 

酸棗仁湯の生薬構成と働き

酸棗仁湯は、次のような生薬で構成されています。

・酸棗仁(さんそうにん)
神経の高ぶりを抑え、心を落ち着かせる
「肝血」を補う

・茯苓(ぶくりょう)
不安感を和らげ、心を落ち着かせる

・川芎(せんきゅう)
血流を整える

・知母(ちも)
余分な熱を冷まし、潤いを与える

・甘草(かんぞう)
全体のバランスを調整する

効能効果
体力中等度以下で,心身が疲れ,精神不安,不眠などがあるものの次の諸症:不眠症,神経症

※三和 酸棗仁湯の添付文書より引用

酸棗仁湯が合っている人

酸棗仁湯が合っている人はどのような人でしょうか?

✅心身ともに疲れきっている

✅寝つきが悪い、眠りが浅い

✅不安感や神経過敏を感じやすい

注意が必要な人

次のような方は、酸棗仁湯が合わない可能性があるので注意してください。

・下痢しやすい体質

・赤ら顔・血圧が高い傾向がある

また、甘草を含むため、まれにむくみや血圧上昇などの副作用が出ることがあります。

すべての人に副作用が出るわけではありませんが、体質によって合わない場合もあるため注意が必要です。

服用中に「いつもと違う」「自分には合わないかも」と感じた場合は、無理に続けず、医師や薬剤師に相談してください。

 

漢方薬の酸棗仁湯は市販されている?

現在、市販薬の酸棗仁湯は、三和生薬からのみ販売されており、第2類医薬品としてネット通販などで購入可能です。

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薬剤師として伝えたいこと

漢方薬は「自然だから安全」ではありません。
また、飲めば必ず眠れる薬でもありません。

酸棗仁湯は、無理に眠らせる薬ではなく、
乱れた心と体のバランスを整え、眠れる状態に近づけるための漢方薬です。

そのため、
・今の不眠が「消耗タイプ」か
・自分の体質に合っているか

ここを確認せずに「効かない」と判断してしまうのは、少し早いこともあります。

 

自分の不眠に「合う漢方薬」を知ることが第一歩

この記事では、
・更年期の不眠が起こりやすい理由
・「疲れて眠れない」不眠を漢方でどう考えるか
・酸棗仁湯が合う不眠タイプ
を中心に解説しました。

大切なのは、「眠れないからこれを飲む」と決めつけて選ぶことではなく、
今の自分の心や体の状態に合っているかを考えること。

不眠の原因や心と体の状態によって、合う漢方薬は変わります。

「疲れているのに眠れない」
そんな不眠が続いている方にとって、酸棗仁湯は選択肢となる漢方薬です。

この記事が、不眠に対する漢方薬選びの参考になればうれしいです。

この記事を書いた人

製薬企業研究所での勤務を経て調剤薬局で働く薬剤師。
昭和生まれの二児の母。
薬の飲み合わせやサプリメントの相談、更年期世代の不調に向き合っている。
自身の更年期の体験もふまえ、心と体をラクに整えるための情報を発信中。

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