この記事では、ホルモンバランスの乱れによるイライラ・不眠・気分の落ち込みなどで悩む更年期女性の方にむけて、アロマ(精油)の香りで心と体を整える方法を薬剤師が解説しています。
アロマ初心者の方にもわかりやすいように、アロマの選び方や毎日の生活での簡単な活用法などもお話ししますので、更年期の心と体のサポートにぜひお役立てください。

私自身が更年期に実際に試して効果を感じたアロマもご紹介します。
香りの力で、自分らしいバランスを取り戻していきましょう!
更年期の不調にアロマをおすすめする理由
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急に減少し、自律神経が乱れやすくなり、イライラや不安感、寝つきの悪さなど、心と体の不調があらわれやすくなります。
そんなときに役立つのが、植物から抽出された天然の香り成分であるアロマ(精油)です。
アロマはホルモンバランスや自律神経の乱れを整え、心身をやさしくサポートしてくれます。
アロマ(精油)の効き方は主に以下の2通りです。
- 香りによる作用:香りの成分を吸い込むと、その刺激が情報して脳に伝わり、自律神経やホルモン分泌、免疫機能のバランスを整えます。
 精神や気持ちの安定、睡眠の質の向上、ストレス緩和などが期待できます。
- 皮膚からの吸収による作用:
 アロマは大きさ(分子)がとても小さいので、マッサージなどで使うと、皮膚から血流にのって全身に届き、リラックスや血行促進などの効果を発揮します。
香りで心を落ち着かせて、肌からもやさしく体に働きかける、更年期の不調に二重のアプローチができるのがアロマの魅力です。
私が更年期に効くと感じたアロマ
アラフィフ、いわゆる更年期世代となって、前よりも眠りの浅さや不安感が強くなったと感じていたとき、アロマを試してみることにしました。
どうしてアロマを選んだかというと、もともと香りが好きで化粧品や虫除けスプレーなどで愛用していて馴染みがあったから!
私が選んだアロマは、ゼラニウムとクラリセージ。
華やかだけど落ち着いた香りにすっごく癒されます。
不思議と気持ちも落ち着くんですよね。
ゼラニウムとクラリセージは、更年期のホルモンバランスの整えるに役立つアロマとしても有名なんですよ。
それでは、それぞれのアロマの詳細な効能や活用法、安全な使い方についても解説します。
更年期のホルモンバランス対策に薬剤師がおすすめするアロマ4選

「ホルモンバランスを整えたい」更年期女性におすすめのアロマは、私が愛用しているクラリセージとゼラニウムに加えて、ローズオットーとラベンダーです。
Shinoharaらの研究*1では、ゼラニウム精油とローズオットー精油は、エストロゲン濃度が増加することが報告されています*1。
アロマは、「香りを楽しむ」だけではなく、科学的にも更年期の女性にとって、イライラ・不眠・ホットフラッシュなどの更年期特有の不調をやわらげる選択肢として注目されています。
ゼラニウムの効能と特徴
ゼラニウムは、ローズに似た甘くフローラルな香りが特徴。
気持ちを明るくして、ストレスや不安をやわらげてくれます。
【主な効能】
・ストレスや不安を和らげる
・ホルモンバランスを整える
・皮脂の分泌バランスを整える(肌ケアにも)
更年期の情緒不安や不眠、ストレス性の不調があるときにおすすめです。

ゼラニウムには、蚊が嫌がる香り成分(シトロネロール)が含まれているので虫除け効果もあります。
花もきれいですが、アロマとしては葉から抽出するんですよ!
クラリセージの効能と特徴
クラリセージは甘くスパイシーで温かみのある落ち着いた香りが特徴です。
【主な効能】
・神経の高ぶりや緊張を鎮める
・ホルモンバランスを整える
女性ホルモンに似た作用を持つ成分スクラレオールが含まれており、更年期やPMS(月経前症候群)の症状緩和に効果が期待されます。

スクラレオールが含まれているため、乳がんやホルモン治療中の人は使わないようにしましょう。
ローズオットーの効能と特徴
ローズオットーは香りの王様といわれるアロマで、気品あふれるフローラルな香りが特徴です。
【主な効果】
・ネガティブな感情を和らげて自信をあたえる
・幸福感や女性らしい気持ちを高める
・ホルモンバランスを整える
・肌の細胞を修復し、毛穴を引き締める
幸福感を高めて、自分を大切にする気持ちを高めてくれます。
とくに、不安感が強い、元気がないという方におすすめです。
ラベンダーの効能と特徴
甘くさわやかな香りで、リラックス作用が高い定番のアロマ。
ラベンダーにはいろいろな品種がありますが、学名がLavandula angustifolia(ラベンダー アングスティフォリア)である真性ラベンダーが一番使いやすくておすすめです。
【主な効果】
・精神の高ぶりや緊張をやわらげる
・副交感神経を優位にして、睡眠の質を高める
・肩こりや頭痛などの痛みを緩和する
眠りの質の低下やイライラが続くときにおすすめです。
更年期のホルモンバランスを整えるアロマの活用法
アロマの簡単な使い方をご紹介します。
1. ディフューザーやプレートでの芳香浴
アロマ専用のディフューザーやプレートを使えば、毎日の生活の中で手軽に香りを楽しめます!
アロマを数滴入れるだけ。
ゼラニウムとクラリセージなどブレンドした香りも楽しめます♪
ほとんどがタイマーセットもできるタイプなので、寝室での使用もOKです。
1回あたり15~30分、1日2、3回程度が目安。
寝室では、寝る30分前くらいから使うとよいです。

寝室にはラベンダー、日中はゼラニウムやクラリセージなど、時間帯で使い分けてもいいですね。
私はこちらのプレートを机の上に置いて芳香浴に活用しています。
よい香りにつつまれて、食事やPC作業もはかどります^^
2.アロマオイルでマッサージ

アロマをホホバオイルなどの植物性オイルで希釈してつくったアロマオイルで、肩や首すじあたりをマッサージしましょう。
アロマの精油は1%以下の濃度にするのが基本です。
アロマ1滴=約0.05mL → アロマ10滴+植物油50mLで約1%濃度
香りを感じながらマッサージすることで、心身のリラックス効果が高まります。
3.アロマバス

マッサージ用のアロマオイルはお風呂に3滴ほどいれて、アロマバスにも使えます。
湯船にアロマを入れた後はよく混ぜてアロマを拡散させてから入浴してくださいね!
クラリセージやラベンダーを使って、一日の疲れを癒しましょう。
4.市販のアロマ商品を使う
市販のロールオンアロマやアロマスプレーといったアロマグッズを活用すると、アロマを準備する手間もなくてラクチンです。
更年期の女性におすすめの市販のアロマグッズを2つ、厳選してご紹介します!
おすすめ1:ニールズヤードレメディーズの携帯アロマ(ロールオンアロマ)
英国の有名アロマメーカーのニールズヤードレメディーズ製。
このアロマパルスウーマンズバランスは、ローズやゼラニウム、クラリセージなどが使われていて、華やかなフローラルの香りが特徴です。
ロールオン容器なのでそのまま肌に転がすように塗ることができます。
手首の内側や耳の下などに塗るのがおすすめです。
小さくて持ち運びにも便利ですよ!
おすすめ2:生活の木のアロマスプレー(ピロ―スプレー)
日本最大級のアロマメーカーで有名な生活の木製。
ラベンダーだけでなく、クラリセージやゼラニウムなどもブレンドされたアロマスプレーです。
寝る前に、枕(カバーをつけて)から20cmほど離して1、2回スプレーするだけで、やさしい香りにつつまれます。
初心者でも安心!アロマの注意点

アロマは自然由来で安全性が高いとはいえ、正しい使い方をすることが大切です。
以下の点に注意してください。
- 希釈して使用する:直接肌に塗布せず、必ずキャリアオイルで希釈
- パッチテストを行う:初めて使用するアロマは肌の一部に少量塗って問題ないことを確認
- 飲んだり、料理に使ったりしない
- 開封後は、1年以内を目安に使い切る(市販品も)
アロマの使い方Q&A、よくある疑問に薬剤師が回答

アロマオイルと呼ばれるものも精油ですか?
フレグランスオイルやポプリオイルなども市販されていますが、「ローズ」などと書かれていても天然の精油とは異なります。
ポプリの香りづけや部屋の芳香剤として使用するもので、肌への塗布などには適していません。
また、アロマオイルのなかには、精油100%の場合とそうでない場合があります。
購入時は、成分表示をしっかりみて、100%天然の精油(エッセンシャルオイル)であるかを確かめましょう。
どのメーカーのアロマを買えばいい?
アロマはいろいろなメーカーから販売されていて、同じ種類でも値段もかなり違います。
香りを楽しむだけでしたら、あまり気にしなくてもよいのですが、更年期対策に使うのであれば、品質の高いものを選ぶことをおすすめします。
私は、フロリハナ、ニールズヤードレメディーズ、ロバートティスランドといったメーカーで買うことが多いです。
迷った時は、日本アロマ環境協会の「AEAJ表示基準適合認定精油」ブランドリストに載っているメーカーのものを選ぶと安心です。
アロマの香りで整える!自分らしい更年期ケア
更年期の不調は、ホルモンバランスや自律神経の乱れからくるものが多く、日常生活でのセルフケアが重要です。
ゼラニウムとクラリセージ、ローズオットー、ラベンダーなどのアロマは、やさしく更年期女性の心と体をサポートしてくれます。
アロマを買って自分でつくるのは面倒な方には、信頼できるアロマメーカーの市販品を活用するのもおすすめです。
アロマの香りの力を上手に活用して、更年期をもっと快適に過ごしていきましょう!
引用
*1:K. Shinohara et al.: Effects of essential oil exposure on salivary estrogen concentration in perimenopausal women. (Neuroendocrinology Letters, Vol.37, No.8, 2017: pp 567-572)
 
  
  
  
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