授乳中は、どうしても薬を使うのに慎重になりますよね。
この記事では、授乳中のお母さんが安心して使える花粉症やものもらいの市販の目薬について、詳しく解説します。

授乳中に使えない(禁忌)目薬についてもお話ししますね!
授乳中の目薬の使用についての考え方
花粉症などに使う点眼薬(目薬)には、抗アレルギー薬や炎症を抑えるステロイド、NSAIDsなどいろいろあります。
ただ、添付文書などでお母さん自身の血液中に吸収される量は非常に少ないと判明しており、母乳への移行する薬の量はさらに少なく、ごくわずかとされています。
なので、点眼薬を授乳中に使用しても、赤ちゃんに影響する可能性は低いと考えることができるのです。
勤務先の薬局でもこのように説明しますが、これは医師の指示のもとに処方された目薬の場合のお話しです。
それでは、薬局やドラックストアで買う市販薬の場合はどうなのか、詳しくお話ししていきますね。

授乳中の薬に不安を感じるお母さんは、授乳中の薬は何時間あけるべき?赤ちゃんへの影響を防ぐための注意点の記事も参考にしてください!
授乳中に使える市販の花粉症の目薬
医師の指導のもとで使う医療用医薬品(処方薬)とは違い、
市販薬の場合は、自己責任で使うため、より安全性を重視します。

市販薬は自分の判断と責任で購入して使う薬です。
なので、副作用のリスクを抑えるために、安全性が優先されています。
決められた使い方を守らなかった場合、
万が一、副作用が出た時に救済措置「医薬品副作用被害救済制度」の対象にならないという問題もあります!
必ず、添付文書に「授乳中に使用しないでください」と書いていない市販の目薬を使いましょう。
具体的にメーカー(ブランド)別に解説していきますね!
授乳中に使えるロートアルガード目薬は?
目の市販薬の超大手、ロート製薬のHPには以下の記載がされています。
授乳中でも目薬を使用できますか?
◆「ロートアルガード」「ロートアルガードs」「ロートアルガードクールEX」「ロートアルガードコンタクトa」の場合:
授乳中に使用しても問題ないと考えていますが、用法・用量を守って使用することが大切です。◆「ロートアルガードクリニカルショット」「ロートアルガードクリニカルショットm」「ロートアルガードクリアブロックZ」「ロートアルガードクリアマイルドZ」「ロートアルガードクリアマイルドEXa」「ロートアルガードクリアブロックEXa」の場合:
授乳中に使用しないでください。ロート製薬HPより引用
「ロートアルガード」シリーズは、花粉症などアレルギー性の目のかゆみに使われる市販の目薬です。
成分の違いでたくさんの種類がありますが、
授乳中でも安心して使えるのは、「ロートアルガード」「ロートアルガードs」「ロートアルガードクールEX」「ロートアルガードコンタクトa」になります。
この中で私がおすすめするのが、ロートアルガード コンタクトaです。
ロートアルガードコンタクトaは、かゆみを抑える成分と角膜保護成分だけというシンプルな処方。
コンタクトレンズ装用中にも使用できるのもうれしいポイントですよね。
(カラーコンタクトレンズ以外)
授乳中に使えるマイティア目薬は?
マイティア目薬もいろいろなラインナップがあります。
そのなかで、授乳中に使える目のかゆみに対しるマイティア目薬のおすすめは、NewマイティアCL‐Wケアです。
目のかゆみを抑える成分であるクロルフェニラミンマレイン酸塩に加えて、
目の新陳代謝を促進するビタミンB6、
角膜の修復をサポートするタウリン、
角膜を保護するコンドロイチン硫酸エステルナトリウムが含まれており、
目のかゆみだけでなく目の疲れなどにも効果が期待できます。
コンタクトレンズ装用中にも使用できます!
(カラーコンタクトレンズ以外)

マイティアアルピタットEXα、マイティアアルピタットNEXα7、マイティアアイテクトEXは、添付文書に「授乳中に使用しないこと」と記載があるので、使わないでくださいね!
アイリスAGガードは授乳中に使っても大丈夫?
大正製薬の目薬、アイリスAGガードは、花粉症やハウスダストなどによる目のアレルギー症状の緩和に効果が認められています。
アイリスAGガード目薬の抗アレルギー成分は、ケトチフェン。
ケトチフェンは、処方薬(先発医薬品)でいうザジテン。
かなり前から使われているアレルギーの薬です。
ただ、先ほど紹介したアルガードやマイティア目薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩よりは、新しいタイプ(第二世代抗ヒスタミン薬)になります。
添付文書では、授乳中の使用に関する注意事項がありません。
そのため、アイリスAGガード目薬は、授乳中に使用しても問題ないと判断します。

実は、ケトチフェン自体は、内服(飲む)の場合、「動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている」ため、「授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること」という記載があります。
目薬(点眼液)で問題ないと判断した根拠は、血中への移行が低値だったという血中濃度のデータによると考えられます。
血中濃度のデータがない(添付文書)ケトチフェン点鼻液は、授乳中は避けることという記載があります。
市販の目薬アレジフェンスは授乳中に使っても大丈夫?
わかもと製薬のアレジフェンスは、花粉症などのアレルギー症状緩和に適した目薬です。
アシタザノラスト水和物という抗アレルギー成分が、ヒスタミンなどのアレルギー症状を引き起こす原因物質の放出を抑えて症状を緩和します。
(メディエーター遊離抑制薬)
また、防腐剤にベンザルコニウム塩化物を使用していない、小容量5mLが2本入りで持ち運びに便利という特徴があります。
アレジフェンスは、添付文書では、授乳中の使用に関する注意事項がありません。
そのため、アレジフェンス目薬は、授乳中に使用しても問題ないと判断します。

アレジフェンスと同じ成分の医療用医薬品にゼペリン点眼液があります。
こちらの添付文書では、血中への移行が低値だったという血中濃度のデータがあるため、授乳中の目薬の使用は基本的に問題ないと判断していると考えられます。
ゼペリン点眼液の添付文書上の記載は、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。」となっています。
授乳中は禁忌!花粉症の市販の目薬
花粉症の市販の目薬のうち、授乳中に禁忌となる成分と理由
花粉症の症状を抑える市販の目薬のうち、授乳中に禁忌のものに含まれているのは、以下の二つの成分です。

ふたつとも配合されていても、ひとつだけ含まれていても禁忌となります
- 抗アレルギー成分であるトラニラスト
- 抗炎症成分であるプラノプロフェン
トラニラストは、内服薬(医療用医薬品のリザベン)が授乳中禁忌であることが基準と考えられます。
プラノプロフェンの目薬が授乳中に禁忌である理由は、実はちょっと謎なのです。
というのが、医療用医薬品のプラノプロフェン点眼液は、「授乳中の婦人 には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に のみ投与すること」となっており、授乳中に禁忌ではないからです。
おそらく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)だからなのではと考えています。
同じく、NSAIDSのロキソニン(ロキソプロフェン)は、添付文書で「授乳中は使用を避けさせること」「薬を使用中は授乳を中止する」などと記載されています。
授乳中は禁忌の花粉症の市販の目薬一覧
「授乳中は使用しないこと(禁忌)」と添付文書上に記載されている市販の花粉症(アレルギー)の目薬の一覧表を以下にまとめました!
商品名 | 禁忌成分 |
ロートアルガードクリニカルショット ロートアルガードクリニカルショットm |
トラニラスト、プラノプロフェン |
ロートアルガードクリアブロックZ ロートアルガードクリアブロックEXa |
プラノプロフェン |
ロートアルガードクリアマイルドZ ロートアルガードクリアマイルドEXa |
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ロートクリア | |
マイティアアルピタットEXα マイティアアルピタットNEXα7 |
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マイティアアイテクト マイティアアイテクトEX |
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アイリスガードP |
目のかゆみがつらい時は、洗眼薬もおすすめ!
目のかゆみが気になる方には、洗眼薬もおすすめです。
市販の洗眼薬、アイボンALは、抗ヒスタミン成分配合の薬液で、花粉などの目の中の異物をまるごと洗い流します。
アイボンAL 500mL
さいごに:授乳中に使える花粉症の市販の目薬は?禁忌についても詳細解説
この記事では、授乳中のお母さんが安心して使用できる市販の目薬について詳しく解説しました。
とくに、授乳中のお母さんが気をつけるべき花粉症の目薬の選び方、授乳中に避けるべき成分(トラニラストやプラノプロフェン)が含まれた目薬について詳しく解説しています。
ロートアルガードやマイティア、アイリスAGガード、アレジフェンスなど、授乳中でも安心して使用できる市販の花粉症の目薬はあります。
花粉シーズンは目のかゆみもつらいですが、この記事の情報をもとに、少しでもつらさが和らぐとうれしいです!
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