こんにちは! 現役ママ薬剤師の安美です。
花粉症やアレルギー性鼻炎のつらい症状のひとつが、鼻づまり。
鼻づまりは不快で、眠れなかったり、口呼吸になってしまったり、
「早くどうにかしたい!」って思いますよね。
そんな時にすぐに効果がある点鼻薬は大助かりです。
ですが、
点鼻薬の成分の種類によっては使い方に気をつけないといけないものもあります。
それが、血管収縮剤入りの点鼻薬です。
安易にこのタイプの点鼻薬を使いすぎると、かえって鼻づまりが悪化することもあります。
そこで今回は、花粉症に点鼻薬の市販薬(血管収縮剤入り)を使う時に注意すべき副作用について、現役薬剤師がお話しますね。
血管収縮剤入りの点鼻薬の注意すべき副作用とは?
点鼻薬の成分として使われる血管収縮剤は、鼻の粘膜の腫れや炎症、充血をとり、鼻づまりを改善します。
血管収縮剤入りの点鼻薬は、即効性があり鼻づまりにとてもよく効くので、市販の点鼻薬にもよく使われています。
しかも、比較的値段が安いので使われやすいんですよね。
ただし、血管収縮点鼻薬は、使い方を間違うと、かえって鼻づまりが悪化したり、副作用を起こすことがあります。
注意点について詳しくお話していきますね。
1.薬剤性鼻炎
点鼻薬がよく効く!と
1日に何回も繰り返し連用し、長い期間使いすぎると、
だんだんと効き目が悪くなってきてしまいます。
さらに効かないだけでなく、もっと鼻づまりが悪化してしまうケースも・・・。
(薬剤性鼻炎)
点鼻薬は鼻づまりの原因そのものを治すわけではなく、対処療法薬。
その効果は一時的なので、
効果がなくなるとまた使う、使いすぎて悪化するという悪循環になりやすいです。
そのことを理解して、
血管収縮剤入りの点鼻薬は長期間連用せずに、
使う場合は、本当に鼻づまりがひどい時だけ限定的に短期間にするようにしましょう。
血管収縮剤入りの点鼻薬の使いすぎによる薬剤性鼻炎では、鼻の血管が収縮と拡張を繰り返して、点鼻薬を使う前よりも鼻粘膜が真っ赤に腫れてしまいます。
そのため、鼻づまりが悪化してしまうんですね。
2.心臓系への副作用
血管収縮剤には、交感神経を刺激するはたらきがあります。
なので、
心臓がドキドキしたり、血圧が上がったりと心臓系に影響を与えることもあります。
血管収縮剤入りの点鼻薬は、6歳未満の子どもには原則使用しません。
また、心臓に持病がある人、
高血圧の人(血圧が安定していない)、
甲状腺機能亢進症のある人も使わない方がよいです。
他にも、糖尿病や緑内障(眼圧の高い人)も注意が必要です。
市販の血管収縮点鼻薬の種類はたくさん!
点鼻薬で使われる血管収縮剤の成分には、ナファゾリン、トラマゾリン、コールタイジン、テトラヒドロゾリンなどがあります。
病院でもらう医療用の点鼻薬では、プリビナ液、トーク、コールタイジンなどがあります。
どれも本当に鼻づまりがひどい人にしか使わない薬です。
ちょっと鼻がつまるわ
くらいじゃ使わない薬です。
なので、
この血管収縮剤成分が市販の点鼻薬としてかなり一般的に、普通に使われていることに、かなり驚きました・・・。
血管収縮剤が使われている市販の点鼻薬はいっぱいあります。
抗アレルギー薬やステロイド成分などと一緒に配合されているものも多いですね。
例えば、
・ナシビンMスプレー
・パブロン点鼻クイックJL
・ナザール「スプレー」ポンプ
・ナザールブロック
・スットノーズα点鼻薬
・アルガード鼻炎クールスプレーa
・クールワン鼻スプレー
・コールタイジン点鼻液a
・エージーノーズアレルカットM
などなど、他にも種類がいろいろとあります。
覚えられないと思うので、
点鼻薬の箱の成分表に、血管収縮剤(テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、トラマゾリン)と書いているか確認してくださいね。
市販の血管収縮剤入りの点鼻薬の使い方
血管収縮剤入りの点鼻薬の使い方としては、
とにかく使いすぎと長期連用に気をつけてください。
わかりやすく言うと、
1日2回で2週間くらいの使用であれば問題ありませんが、
1日何度も1ヶ月以上使うと、薬剤性鼻炎を引き起こしてさらに鼻づまりが悪化してしまう可能性があります。
私なら、本当に鼻づまりがひどくて眠れない時だけ使います。
だって、使いすぎるとだんだん効かなくなる、かえって悪化するとわかっているのに使うのはコワイから^^;
一般的な点鼻薬の使い方になりますが、使う前にちゃんとかむと効果的です^^
さいごに:花粉症で点鼻薬の市販薬を使う時は注意!薬剤師が教える危険な副作用
というわけで、
花粉症に点鼻薬の市販薬(血管収縮剤入り)を使う時の注意すべき副作用と正しい使い方について、お話してきました。
血管収縮点鼻薬は、使いすぎと長期連用に注意が必要です。
市販の点鼻薬にも血管収縮剤はよく使われています。
値段も安いので手にしやすいですが、鼻づまりがひどい時だけ限定にして、十分に注意して使ってくださいね。
■こちらの記事に、いろいろな花粉症対策をまとめているので、お役立てください!
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