更年期のイライラや不眠、歯ぎしりに「抑肝散は効果があるの?」と検索される方が増えています。
「イライラが止まらない」
「怒りっぽくなった」
「歯ぎしりや食いしばりで眠れない」
更年期になってこんな変化を感じていませんか?
更年期の不眠はただ眠れないだけではありません。
イライラや神経の高ぶりが背景にあるタイプもあります。
このような場合によく使われる漢方薬が、抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)です。
この記事では、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏が、
・更年期の不眠のうち、どんなタイプに合っているのか
・歯ぎしりや食いしばりにも使われる理由
・合わないケースはあるのか
について、薬剤師の視点でわかりやすく解説します。
更年期のイライラと不眠の関係
更年期は女性ホルモンの変動により、自律神経が不安定になりやすい時期です。
・日中からイライラしやすい
・怒りっぽくなった
・神経が過敏になっている
・歯ぎしりやくいしばりがある
このような症状がある場合、交感神経が優位のままでうまく切り替わらない状態が背景にあることが多いです。
夜になっても体がリラックスモードに入れないので、眠りが浅くなったり、歯ぎしりが強くなったりしてしまいます。
抑肝散は更年期の不眠に効果がある?
抑肝散の特徴
抑肝散は、神経の高ぶりを鎮める目的で用いられる漢方薬です。
東洋医学でいう「肝」は、感情や自律神経の働きと関係すると考えられています。
その「肝」の過剰な高ぶりを抑えることで、イライラや興奮状態を落ち着かせる方向に働くというわけです。
効果・効能
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、歯ぎしり、更年期障害 など(ツムラ抑肝散エキス顆粒 添付文書より)

「更年期の不眠に抑肝散は効くの?」という疑問に対しては、
イライラや神経の高ぶりが背景にある更年期の不眠には、抑肝散が選択肢になることがあります。
抑肝散が歯ぎしり・食いしばりにも使われる理由
・寝ている間の歯ぎしりがひどいと家族に言われる
・無意識に食いしばっている
・朝あごがだるい
このような悩みを持つ更年期女性の方にも抑肝散はおすすめです。
というのは、
漢方では、筋肉の動きも「肝」の働きと関係が深いと考えるからです。
そのため、肝の働きを整える抑肝散は、歯ぎしり・食いしばりに使われることがあります。
実際に、抑肝散の添付文書の効能効果には「歯ぎしり」と明記されています。
抑肝散が合うタイプ

以下に当てはまる場合は、
イライラが強くて熟睡できないタイプの不眠の可能性が考えられます。
✔ イライラが強い
✔ 怒りっぽい
✔ 神経過敏
✔ 歯ぎしりやくいしばりで眠れない
✔ 顔や目がぴくぴくする
2つ以上当てはまる場合は、抑肝散が選択肢として十分に考えられます。
抑肝散が合わないタイプ
✅不安感が強い
✅疲労感が強い
という場合は、抑肝散ではなく、別の漢方薬が検討されることが多いです。
漢方薬は、不眠という「症状名」だけで選ぶのではなく、今の体と心の状態に合っているかどうかが大切なんですね。
市販薬の抑肝散の比較
「また今日も眠れなかった」
「歯ぎしりがうるさいと指摘された」
とイライラする毎日を過ごしたくないですよね。
抑肝散は市販薬として複数のメーカーから販売されており、体質に合えば、イライラを鎮めて眠りの土台を整えるサポートになります。
ツムラの顆粒タイプの抑肝散
医療用の1/2量、1日2回(1回1包)の服用
漢方ナイトミン抑肝散錠 小林製薬
医療用の3/5量、1日2回(1回4錠)の服用
アロパノールメディカル液 全薬工業
医療用の抑肝散と同じ成分量(満量処方)、1日3回まで服用可能
1回1本のみきりタイプのドリンク剤

こんな方にはナイトミンがおすすめ!
・錠剤がよい
・1日2回で済ませたい
成分量を重視するなら
・アロパノールメディカル液(満量処方)の方をおすすめします!
抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違い
抑肝散と似た名前の漢方薬に抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)があります。
これは、名前の通り、抑肝散に陳皮(ちんぴ)と半夏(はんげ)を足した漢方薬です。
この2つの生薬は、胃の中の余分な水分を取り除き、胃腸の働きを整える役割があり、
胃腸が弱い方には、こちらが使われることもあります。
効果効能
体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしりクラシエの抑肝散加陳皮半夏のエキス顆粒の添付文書
イライラして神経が高ぶりやすい方で、胃腸があまり強くない方におすすめです。
市販薬の抑肝散加陳皮半夏の比較
市販の抑肝散加陳皮半夏はクラシエから販売されています。
成分量は顆粒でも錠剤でも同じです。
漢方薬に慣れていない、苦手意識がある方は、錠剤タイプがのみやすいかもしれません。
顆粒タイプ
錠剤タイプ
抑肝散や抑肝散加陳皮半夏の副作用は?注意点はある?

寝ている間の歯ぎしりが気になる場合は、まずは寝る前のみの服用で様子を見てもよいです。
日中からイライラが強い場合は、1日2~3回しっかり服用してしっかり整えるた方がいいでしょう。

症状が強い・長く続く場合は病院の受診(内科など)をおすすめします。
なお、甘草を含むため、むくみや血圧上昇などの変化が出た場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
更年期の不眠はタイプ別で考える
更年期の不眠にはいくつかのタイプがあります。
今回の抑肝散が合うような、イライラが強く神経が高ぶっているタイプ以外にも、
✔️疲れているのに眠れないタイプ
✔️不安感が強くて眠れないタイプ
などがあります。
疲労が背景にあるケースでは、酸棗仁湯の方が合っていることが多いです。
▶︎ 酸棗仁湯の記事はこちら
■不安感が強くて落ち着かないタイプ
気持ちの不安定さが前面に出る場合は、加味帰脾湯の方が合っていることが多いです。
▶︎ 加味帰脾湯の記事はこちら
更年期の不眠はひとつではありません。
タイプに合わせて考えることが大切です。
「私はどの不眠のタイプだろう?」
と整理することが、整え方を見つける第一歩になりますよ!
イライラや歯ぎしりで眠れない更年期に、抑肝散という選択肢
更年期の不眠は、睡眠薬だけが解決方法ではありません。
イライラや神経の高ぶりが背景にある不眠には、抑肝散や抑肝散加陳皮半夏が合うことがあります。
大切なのは、自分の今の状態に合った方法を選ぶこと。
イライラや歯ぎしりで眠れない夜が続くなら、睡眠の質を整えるアプローチとして、抑肝散をひとつの選択肢にしてみてくださいね!
「眠れない」「イライラが止まらない」と我慢を続ける前に、体の土台から整える方法も検討してみませんか?
漢方薬だけでなく、栄養面から整えたい方には、
女性のゆらぎ世代向けに設計されたサプリメントという選択肢もあります。

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